飯田橋近辺

朝から仕事関係者と会った後、大手町の東京国税局税務相談室でちょっと相談。生前贈与の件。贈与の内容に関しては、公証の必要はないとのこと。税務署が見るのはむしろ、住宅ローンの資金計画に破綻がないかどうかだそうだ。夫婦で物件を購入するとして、妻も出資する場合、最初から名義は出資比率に応じて夫婦共同にしておいてくださいね、とのこと。当方無資産なので、この手の話は他人から相談でもなければ全く無縁。時期にもよるのだろうが、待ち時間なしで相談できた上に、担当してくれた税理士さんがかなり感じの良い人だった。活用すべし。

午後から時間が空いていたので、雨が来る前に江ノ島に遊びに行こうと考えて準備もしてきたのだが、手持ちの資料が重い上に、今日でまだ3度目の靴が少しきついので、遠出をあきらめて飯田橋界隈にお散歩に出かけた。何度も通りかかったことがあるのに、ご朱印を貰い損ねていた善国寺と筑土八幡神社が本日の目的地。

飯田橋の駅で地図を見たら、近所に「東京大神宮」という神社があったので寄ってみることにした。なぜだかしらないが、妙齢のお嬢さんがひっきりなしに訪れる。縁結びの神様なのかな?ご朱印をお願いして、そのまま、お嬢さん方がおみくじをひくところをぼんやり眺めたりしていたのだが、しばらくして、やはりご朱印をいただきに来たおじさんのご朱印帳を見てびっくり。当方が先刻差し出したご朱印帳と全く同じ、久能山東照宮のものだったから。

ご当地ならまだしも、東京にいて、他県で購入したご朱印帳がかちあうのはかなり珍しいのではないだろうか。これが同じ年頃の女性であれば迷わず声をかけるところだが、南無八幡大菩薩のお導きとも思えなかったので、ぐっと我慢する。がしかし、巫女さんからご朱印帳を返してもらう段になって、同じご朱印帳が2冊あるとは思わないおじさんが、予期した通り、当方のご朱印帳を「それ、僕のです」と受け取ろうとする。結局「やや、何という奇遇でしょう」と互いに自己紹介することになった。

どういうゆかりがあるのかは聞かなかったけれど、毎年、家康の命日には東照宮に赴かれる由。徳川宗家18代当主や美人の奥方の写真を見せていただく。鳥羽のホテルの顧問を務めていらっしゃるとのことで、別の名刺によるとどうやら宗教関係者。道理で拝礼の仕方が板についていると思った。

にこやかにお別れした後に、どうにも狐につままれたような気分になる。滅多にない偶然にぶつかったのに、あまり意味がなさそうなのは不思議だ。例えばなぜこれが鳥羽じゃなくて鈴鹿だったら、もう少し納得しただろうに、とか。特に意味のない偶然というものが実は世の中には無数にあって、そのうちの1つがたまたま顕在化しただけなのかもしれないが。理系、銀縁メガネのお兄さん(私の好みはユカちゃんと同様、羽生めーじんみたいな外見である)とのご縁は、神社には落ちてないか。

ぼんやり善国寺の毘沙門天をお参りした後は、オープン以来気になっていた「アグネスホテル&アパートメンツ」でお茶。大きな開口部のある居心地の良さそうなダイニングは食事専用とのことで、ティーラウンジに通される。眺めはないけれど、クッション付きのソファは、読書には快適。つい、1時間以上だらだらしてしまった(でも、ケーキはもう一つ)。宿泊も、女性向けの平日1万円プランくらいだったら、どうにか何かのときに試せるかもしれない。ティーラウンジでもバーでも、ちょくちょくコンサートやライブが開かれているようだ。独立系のホテル。経営者は貸ビル業も兼ねているらしい。きっと「ほんの少し贅沢したい。でもマンダリン・オリエンタルはどう考えても無理」な私のような層から人気があるだろうな。

筑土八幡神社は、宮司さんは常駐ではなさそうだった。「通りかかったことは何度もあるのにご朱印を貰い損ねている」のは、あと根津神社と赤坂の日枝神社。梅雨の後になるかなあ。