夢で見たレース

伊勢若松で降りた後、接続の電車にすぐ乗り換え、13:00頃終点の平田町駅に到着。歩くつもり100%で改札を出ようとしたら、改札のむこうにタクシーの姿が。一応鈴鹿の地図だけもらって、タクシーに乗りこむ。「タクシーは出払ってて拾えない」と聞いていたんですよ、と話しかけると、「今日だけ応援で、近鉄の津の営業所から来てるんですわー。この辺で今日走っているタクシーで、もともと鈴鹿の車はいないですよ」とのこと。F1の話題もちょっと。三重の県知事と鈴鹿市長が鈴鹿で引続きF1を開催できるよう、フランスまで陳情に出かけた話とか。FIAの会長が「富士でのF1開催は考えていない」とこの間表明してましたよ、と話すと、嬉しそうにしてらした。「渋滞したところまででいいです」と言ったら、「渋滞のピークはもうとうに終わってます」と笑われる。ものの5分でサーキットの正門に到着。1,500円くらい。

いきなりライコネンの名前入りフィンランド国旗を持っているお姉さん発見。数分して二人目も。早速売っている店を探して750円で確保。政治信条を表明することはほとんどしないが、「あたしが好きなのはライコネンよ!」と表明する楽しさ。

昨日より良い場所を探す時間もなく、とりあえず、昨日と同じB3席に隣り合わせの、サーキットビジョンの正面あたりに陣取る。昨日予選を見た後、最前列のフェンスの前に東京都ごみ袋をそのまま残してきたが、雨でテープ止めもできなかったし、もちろんペグも持ってなかったし、そもそもそこまで行きつけるとも思えず、その席ははなからあきらめる。このあたりは、観戦スペースと人が通行する道をコンクリートのブロックで隔てていて、そのブロックは、腰かけたり、あるいは上に立って観戦するくらいの平面積がある。ここを取っている人は、どうせその上に立って応援するだろう、ということで、当初はその前に立っていたけれど、結局レースが始まってもその「お立ち台」には人が来なかったので、以後そこに立って応援。ライコネンの大きな旗が、晴れた空の下、強い風にあおられて、右斜め前方に翻っている。

いきなり琢磨のコースアウトで始まったレース。なんだかリタイアや衝突が多く、前半はサーキットビジョンを見ていないと何もわからなくなりそうで、双眼鏡で見たり、一瞬通りすぎる車を「今のはライコネンかな」くらいの感じで見ていた。安心して見始めたのは、ライコネンアロンソ、ミハエルが三つ巴で、4-6位争いを始めたとき。中盤のハイライト。アロンソオーバーテイクは見事でした。ライコネンはしばらくミハエルにつかまっていて、こんなことでは、アロンソに離されるぞ、だったはずが、いつのまにかアロンソは二人の後ろに。ライコネンがミハエルを抜くシーン、映像には映ったけど、解説と順位表示は遅かったね。たくさん燃料を積んだライコネンがひたすら走りつづけるのに対して、他の車は次々とピットに入り、トップがめまぐるしく入れ替わる。「え、バトンが初優勝なの?」っていう周もありましたっけ。

前が消えて、ライコネンがとうとうトップに立ったのもつかの間、残り9周でピットイン。フィジケラについで2位のポジションでコースに復帰する。正直、これで終わりだと思い、これで十分だと思った。

今季、フリー走行中に何度もトラブルに見舞われて、フランスでもイギリスでもイタリアでも、エンジン交換による10番グリッド降格を余儀なくされ、その度に、下位からでも優勝してほしい、と願った。でも結果は2位どまり。ただでさえ苦しんでいるライコネンに、それ以上の結果を求めることなど誰もできないと思っていた。ただの人間に対する要求としては、あまりに酷だと思ったから。

でも、キミはやってのけた。怒涛の追い上げと、ラスト1周の、時間を止めてみせたかのようなオーバーテイク。「どんなグリッドからでも勝つ」というのは、他ならぬキミ自身の願いだっただろう。今日目にしたのは、かなうはずのない夢がかなった瞬間だ。

レース後のキミは、珍しく何度もガッツポーズを繰り返した。あんなに嬉しそうなキミを見たことがない。あれは、一つ別の次元に移行した者の歓喜ではなかったか。

サーキットビジョンの再放送で、そのガッツポーズを再び見た後、サーキットを離れる。祭りの余韻にひたる人たちで、まだ園内には人がいっぱい。ずっと単独行動だったので、いつものことながら写真の一枚もないのが、今夜は少しさびしい。一枚くらい欲しかったな。自分の記念ではなく、キミがやってのけた偉業の記念に*1

*1:といいつつ、また思いだして涙ぐんでいるのであった。

伊勢中川行きの急行に乗って、のんびり日記を書いている私です。

昨夜は、夕ご飯を食べた後、テレビ塔のそばのインターネットカフェ「ポパイ」に移動して、日記書きと調べ物。10/07の日記がシグマリオンで対応できる容量を超えていたので上げられず、それを上げるついでに、インターネットカフェというものを覗いてみようかと。実はまだ、一度も行ったことがなかったので。

フリースペースPC使用で一時間につき300円くらいの料金だったのだが、追加料金は少し高めに設定してあるので、最初から3時間コース830円だかを選択。フリースペースにあるPCはどこもそうだが、キーボードが少し汚れている以外は、PCも座席も快適。飲みものは自由。漫画とDVDがたくさんあって、シャワーも使える。ビリヤード室なんかもあった。昨日は名古屋のホテルはどこも満杯だったと思うが、まさかインターネットカフェで一夜を過ごしたなんていうツワモノはいないでしょうね。

1時にホテルに戻り、お風呂に入ったり本を読んだり。名鉄の停電騒ぎをどのニュースでも流していた。昨日のホテルは、金曜日にやっとの思いで押さえた「プリンセスガーデン」という栄のホテル。一泊8,500円で、名前からして女性向けということもあって、そこそここぎれい。ただ、「そこそこ」のホテルでありがちなのは、設備はまあまあ整っているけれど、お掃除が徹底していないこと(もちろん「大体は」きれいなんだけど)。眺めや広さはビジネスユースでは気にしない方なので、むしろその点だけ徹底してくれてれば構わないんだけどなあ。

いつもの時間にめちゃめちゃうるさい携帯のアラームが鳴ったはずなのに、目が覚めたら9:30で、驚愕。旅先で目がさめる時間としてはあり得ない遅さ。まるで『オテルモル』の世界。慌ててチェックアウトの時間を確認したら正午ということで、そちらはまあラッキーだったけれど、「ゆっくり、12時にサーキットに着けばいいや」計画も危ない。また、荷物を一つどこかに預けるとして、昨日の朝10時の段階で近鉄名古屋駅のコインロッカーがほとんどふさがっていたことを考えると、名古屋駅で荷物を送り返す可能性もあると見て、ちょっとした荷造り。

案の定、どこのコインロッカーも一杯で、昨日場所を確認しておいた、高島屋の1階にある中央郵便局の分室から荷物を送り返す。この段階で11:50分。近鉄の駅員さんに「鈴鹿までどうやって行こうかなあ」と相談したら、急行で伊勢若松まで、その後乗り換えて、平田町駅から30分歩きなさい、という指示が飛んだので従うことに。Tシャツ一枚で歩くのは体型の問題から滅多にやらないのだが、今日の暑さの中で、長袖のジャケットを羽織って30分歩くのはまず無理。

そろそろ伊勢若松。決勝間に合うかしらん?

17番手スタートから、ライコネン優勝。サーキットでキミの優勝を見られるなんて。もう、一生ついていこう。

今、レースの再放送がサーキットビジョンで始まったところ。どうせバスはしばらくめちゃ込みなので、見て帰ろう。自宅で見る分には実況中継はありがたいけれど、おうちに帰って復習ができないのはいまいち困ったことだと思っていたので、これはありがたい。本物のレース中は、走行音で解説が消えてしまうので、走る音は消して、キャスターの中継する声だけでレースを振り返る。

スタートのごたごた、イエローフラッグがやけに長い間振られていたこと、ラルフがいつのまにか中盤に沈んでいたこと、アロンソがなんだか途中で順位が上がったり下がったりしたこと、とかの理由がやっとわかるか。