携帯電話のアラームを7時から5分おきに鳴らし続けて、無事8時15分に起床。「朝食を食べませんか」と連絡が入るが、それどころではない。京都だろうが、広いお部屋のホテルだろうが全く関係ない41歳と2日目の朝。シャワーを浴びてロビーに降り、チェックアウトを済ませて業務開始。

昨日も日中は暖かかったが、今日は紺色のコートが暑苦しく見える陽気である。基本的に顔見知りばかりであろう住宅街で、さぞや正体不明に見えるだろうな、とは思うものの、まあ別に隠れる必要もなし、何より人畜無害顔には自信がある。『どいつもこいつも』に出てくる、筋肉マンの撮影を趣味としているとばるちゃんが、撮影チャンスに備えて、半生タイプのドッグフードを常に持ち歩いている、という逸話を思い出したりしていたのだった。

お昼前に業務終了。朝コンビニで買ったヨーグルトとパンを食べてきたので、お腹はすいていない。スタバでコーヒーだけご馳走になる。昨日東京を離れて以降、ネットカフェに外出したとき以外は、全く財布を開いていない。ここで報酬と帰りのチケットをいただいて、「お疲れ様でした。さよーならー」と京都の町に繰り出せれば言うことなかったんだけどなー。

報酬は依頼人との精算終了後だと聞かされ、帰りの新幹線を手配するのに「席はちゃんと隣同士になるように」と言い渡されたときから、抵抗する気力が失せる。大阪のおばさんに入院してもらえばよかったと考え付いたのは、列車に乗り込んだ後である。

この方に、特に何か問題があるわけではない。むしろ、この年配の人としては、昔話も面白いし、人が嫌がることは決してしない(でなければ、一緒に仕事はできない)。しかしまあ、慮りの精神が必要である。私より10歳下の世代なら、「移動中の席は別々に取ってください」あるいは「私はこの後京都を散策して帰りますので、帰りのチケット代をください」くらい涼しい顔で言えるのかもしれないが...。私にとって、自分の意思でなく他人と時間を共有するのは、最大の苦痛の一つである。その割に、人に嫌な思いをさせるかもしれないと思うと、くよくよ二の足を踏むのである。

くう、関西に4日間も滞在したのに、ご朱印は1つも無しとは情けなや。他人の金で遊んで回ろうとはけしからん、というカミサマの思し召しであろうか。帰りの新幹線では、殿方を横にして終始爆睡し、帰宅してちょっと仕事、図書館で本をピックアップして、仕事を紹介してくださった方に八つ橋を持っていく。

そういえば昨日は、レクチャーを一つ入れていたのに行けなかったな。「トップキャスター」の初回も見損ねてしまった。それでも、くたくたになった身体がなぜか心地よい。頭を疲労させるより、身体を疲労させろっていうことなのかもしれないな。(04/23)