そのうち斎藤孝を読むようになるのか?

『ホンモノの文章力 自分を売り込む技術』ISBN:4087200566、樋口裕一、集英社、10/2000

"自分を売り込む"の一言につられて、読んでしまった。ブログと係わらなければ絶対読まなかったであろう本。
著者は「小論文の神様」と呼ばれる人で、大学や企業に自分を売り込むための文章を書きたい人には多分役に立つ本。しかし、紺のリクルートスーツを卒業して久しい当方(嘘。実は着たことない)にとっては、ちょっと違和感を覚える内容。最後のe-メールの書き方の項だけ、急に対象年齢がぐんと上がってるし。

筆者が文章というものについて書いているうち、以下の二点についてはその通りだと思う。
・「自分の考えを素直に書く」よりも「書くことによって自分の考えを作り出す」方が、書くという行為にふさわしい。
・「文は自己演出なり」

しかし、"個性重視・自主性尊重をうたうのなら...小論文や作文をもっと重視して、一つの「正解」を求めない入試をふやすべきなのだ"という主張については、著者が本当にそう思っているのかどうか疑問。型も内容も「正解」を教える仕事をしているんでしょうに。掲載されている例文も「個性重視」とは思えない。

ところで、日本の作文教育の歪みについては、この本をお薦めします。

文章読本さん江』ISBN:448081437X斎藤美奈子筑摩書房、02/2002

買い置きの『<不良>のための文章術』ISBN:4140910054ゃ。ジャンル違いすぎ?