門司から福岡に再移動。母の友人が二日市というところにいて、以前、司法書士をやっている娘さんに相談に乗っていただいたこともあって、当方もご挨拶に出かけることにする。事務所を拝見した後ランチをご一緒して、近くの太宰府天満宮まで送っていただく。

高3の夏休みに青春18きっぷで大阪まで行く途中、「ついでに」お参りして以来。当然その年は同行の友人ともども落ちた。頭が良くなるように、牛の頭をなでる。ご朱印帳を忘れてきたので、梅の模様のを一冊買う。絵馬の書き込みを読んでいくけれど、どこでも一つくらいは見つかる「とんでもなく虫のいいお願い」は一件もなかった。そのかわり、世の中にはいろいろな試験や資格があることがわかる。大楠の緑があざやか。境内は橘の香りに満ちている。裏手の茶屋に猫がたくさん。黄色いあやめが咲いていた。

夜は、母の友人と娘さんと再び合流して夕食。母から聞かされていた通り、お二人とも豪快なお人柄。難関資格をクリアしたお嬢さんは、「金の儲け方以外、何も知らんかったけん」(すごい!)とおっしゃる母君の遺伝子を受け継いだ上に、「しっかり」と「愛嬌」が絶妙にブレンドされた印象。選択と集中という言葉が頭をよぎる。対するこちらは、母はまあ典型的な芸術家タイプだが、当方は「あやふや」かつ「おすまし」のビミョーなお人柄。「はて、どうしたものだろう?」の表情は見慣れてます。はい。

それでも、母と友人の仲良しぶりに助けられて話は盛り上がった。偶然お店に居合わせた地元の行政書士さんにも紹介していただく。考えてみたら、関東近県以外の士業の方とお話しするのは初めて。地域密着度が高い気がするのは、福岡弁のせいでしょう。

母を友人宅に残して、シグマリオン経由で予約を入れた「アリマックスホテル330天神」に移動。多少かび臭い気がしたけれど、部屋はそこそこ広くて清潔。5分歩くのが面倒で、ネットカフェに移動するのはあきらめる。

本日の会談の模様を反芻しながら、「看板をしょって地元で生きていくこと」について考える。難しいなあ。億劫だなあ。「仕事」に「自分の署名」が入るのはむしろ好きだけど、「自分という看板」で仕事をするのはつくづく気が重い。今に始まったことじゃないけどさ。自営業者としてもICとしても適性に疑いあり。

しかし問題はそういうことではなくて、常にお面をつけかえる用意をしている、前を向いているのかと思わせておいて、実は進んでいるのではなくて後ずさりしている(笑)、みたいな点であろう。

と書くといかにも大変な感じだが、多分、大人になってもこういう人は結構いるはず。何、生活成り立ってればどうだっていいんですよ。今はあまり聞かないけど、モラトリアムって言葉は昔からある。

それから [VHS]』のラストで、松田優作が陽炎の中を歩いていくシーンが好きだ。ついでに、大変後ろ向きな意味でi love tokyoである(05/18)。