キョーフの盆踊り大会

練馬からこちらの方に越してきてちょうど5年になる。正確な日付まではわからないが、あちらの家の後片付けを終えて大家さんに鍵を返し、こちらの部屋に落ち着いたのが、5年前の7月の土曜日だった。
夕刻、精も根も尽き果てて、まだほとんど家具のない部屋に転がってうとうとしていたところ、響き渡る大音声の東京音頭で目が覚めた。近所の学校で盆踊り大会が始まったのだ。
「くゎー、うるさい」とは思ったものの、体は極限に疲れている。どんなに騒々しかろうが今の私を眠りから引きはがすことは不可能、と高をくくってもう一度眠る態勢に入ったが、しかしその眠りは浅く安らげないものとなった。そもそも曲にバリエーションがないのである。3曲しかレパートリーが無いってどういうことよ。炭坑節と東京音頭と、なんか新しくできたっぽい陽気で間抜けな感じのやつ。この3曲が延々と続く。私は寝ながら顔をしかめていたと思う。
そして程無く、横たわる私はもっと根本的な問題を発見したのだった。太鼓のリズムが曲と合っていない!ああ、ズレている。うーん、ズレている。寝返りしてみても以下同様。それから3時間、目を開けることも耳をふさぐこともできないまま、私の苦悶は続いたのだった。

ということで、今日は引越し以来6度目の盆踊り大会。レパートリーは...、どうだったっけな?太鼓の叩き手は変わったらしい。

ゆかた姿の中学生多数。図書館に行く途中の運河には、たくさんお供え物がしてあった(何だろう。先の大戦の関係だろうか)。至るところアスファルトで覆われているけれど、そして多分、住人も新参者が多い場所だけれど、土地の匂いと水の匂いがある。結構気に入っている。