ラーメン

ラーメン屋さんにはあまり行かないけど、入るとしたら、一人または同性同士で、「そもそもマスコミが取り上げない」または「もうマスコミは取り上げない」かつ「お客はそこそこ入っている」店にしておきたい。ところで「飲み会の仕上げにラーメンを食べる」「そもそも男性が一緒のときにラーメンを食べる」ことに軽い拒否反応があるのはなぜだろう。「ここのラーメンがうまいんだよ」の「ラーメン」のところに、「ラーメン」以外の食べ物が入っていれば少しはましなのだが。気取るとか気取らないとかそういう話ではない。男の人の、あまり好きではない部分の「定型」が発揮される場所のような気がしている。

彼等*1と彼等の支持者によって、ラーメンは難しい当て字や、毛筆の現代書画みたいな筆致を当てたがる貧乏臭い権威センス、アートセンスをジャンル内にアダプトしたが(「とんかつ」「オムライス」の青空のような潔さを見よ。とんかつには豚のイラストまで添えられているではないか)、何故ラーメンにだけこうした片岡鶴太郎みたいなセンスが張り付くようになったか考えるに、ラーメンがアーメンに似ていて、キリストのシリアスさをアダプトしてしまっているという点(ラーメンの名前が「とんかつ」だったら、この現象を抑止できたはずだ)。あと、スープを大釜で煮込む。この、煮込むという行為が漢方の仙人や中世の魔女の秘術的製薬法を思わせて、何か深くて偉そうだから。程度しか考えられない(ウソ。本当はもっと厄介な理由があるのだが、書くだけで気が滅入るので止める)。『スペインの宇宙食

菊地さんの「もぐもぐ」の使用法はチャーミングだ。

*1:ヒゲバンダナのラーメン店主