探し物をしていたら『赤毛のアン (新潮文庫)』が出てきたので。

「あれはバーリーの池だよ」マシュウが言った。
「あら、その名も好きじゃないわ。あたしなら−ええと−『輝く湖水』とするわ。そうだわ、これがぴったりした名前よ。ぞくぞくとしたからまちがいなしよ。ちょどぴったり合うのを考えだすと、ぞくぞくっと身ぶるいがするのよ。小父さん、そういうことがあって?」
マシュウは思案した。
「そうさな、あるよ。きゅうりの苗床を掘りおこすと出てくるあの、きびのわるい白いうじ虫な、あれを見ると、いつもわしはぞくぞくっとするがな。あのようすがいやだね」

あたしは、金剛地の声を聞くとぞくぞくっとするけれど、どっちなのかは判然としない。