デザイナーのエイドリアン・ニューイがこの春マクラーレンを離脱すると聞いたとき、真っ先に考えたのはもちろん、今後マクラーレンの車は大丈夫なのか、という技術的な問題についてだった。しかし、最初の衝撃が過ぎた後、何度も胸をよぎったのはこういう思いだ。「ライコネンの優勝を見届けずに、行ってしまうのか」

マクラーレンの広報を担当している女性のインタビュー記事の中で、彼女は「世界中で一番キミを愛している、という人にこの仕事はできない」というようなことを言っていた(うろ覚えだけど)。しかし、同じ記事の中で彼女は「フィンランドハッキネンのインタビューを行って以来、彼を大好きになった」とも言っているのだ。

今期のニューイの移籍は、マクラーレンから追われてレッドブルに移籍したクルサードとの関係が大きかったという。チームメイトとしては2003年以降キミにエースの座を明け渡したクルサードは、キミの必勝体制に必要な一ピースを、彼から奪うだけの力を持っていたということだ。

ガスコイントヨタに持っていかれても、結果的にびくともしなかったルノーのようなチームもあるけれど...。

「世界中でライコネンが一番好き」な人たちが、彼を支えてくれているのだといいのに(実際はかなりの割合でそうなのかもしれないけどね)。