助手席に乗せて

金剛地バージョン*1が入っている、稲垣潤一のアルバムをiTunesに落としたところ。懐メロついでに、来生たかおの歌を思い出した。タイトルは忘れちゃったけど、女の人に運転してもらっている男が、助手席からいい気分で女の人を眺めている、というような歌詞だった。

この曲が流れていた当時通っていた高校は坂の上にあって、徒歩の学生がちょうど校門にたどり着く頃、舟木一夫(の若い頃)に似た地学の教師が、ベージュのサニーに乗って、脇を通り過ぎていったものだった。先生はいつも助手席で、運転していたのは決まって奥さんだった。そのことが、少し特別なかっこいいシーンに見えたのは、もちろん思春期特有の気の迷いである(今から思えば、多分奥さんは、その同じ車を後で使用する予定があったのだ。朝のドライブを二人で楽しむのが目的だったわけではないだろう)。

というようなことを思い出しつつ、助手席や後部座席にちんまり座っているのも嫌いじゃないけれど、自分で運転できるようになってからは、「男性を助手席に乗せる」というのが、悪い気分ではなかったな、というようなことをちらっと思った。過去形なのは、何度かナビを引き受けてくださった方々に、再び助手席に乗っていただく機会はなさそうだ、ということに思い至ったからだ。

もちろんくだらない感傷です。こんなときに。お許しを。

*1:予想外にいい感じでびっくりした。