人手不足で駆り出されて、行政書士試験の裏方さん@早稲田大学。最初は試験監督という話だったのだが、いざ打ち合わせに出かけてみると、構内を走り回って掲示物を貼ったり受験者を誘導したり、という最も裏方さんらしい仕事だった。早稲田に足を踏み入れるのは、友人が何やらの発表をした〜文学会の発表会以来。いずれにせよ15年は昔の話である。

睡眠不足で頭が重い、でも、風が強い分だけぴかぴかに晴れた休日の朝は、なんだか得をしたような錯覚を覚えるほどにすがすがしい。8時15分には構内に到着。本部の設営から仕事が始まる。13時からの試験のためには、これだけの下準備が必要だったのね。まず、受け持ちの校舎に掲示物を貼って回り、11:00からは校舎の封鎖と見回り。12時から受験者誘導。試験開始は13:00から。13:30の入室許可デッドラインを何事もなくやり過ごした後に(1分前に隣の校舎に入っていった男性がいた)、やっとお昼である。試験終了を待たずに掲示物を取り外し、本部に戻って休憩。試験終了後は、回収された答案の点検作業を手伝い、本部の原状回復が終わったのは18時前だったか。久しぶりに長い一日だった。

今回は誰とも名刺交換するつもりはなかったのだが、胸に「W-ZERO3」をぶら下げた女性がいて、試しに話しかけてみると、すこぶる感じがよい。数秒で「これは行けそうだ」という感触を得て(何の?)不躾にもあれやこれや質問してみると、まぎれもなく文学少女の片鱗が。聞けばご実家は本屋だとか。そして、嬉しいことに、彼女もはてな村の住人だったのであった!(id:Takeishiさん)。離婚・不倫問題をメインに、行政書士業務も立派に執り行っているご様子。本の出版も控えてらっしゃるとか。「またお会いしておしゃべりしたいなあ」と思う人と出会えたのは嬉しいことだった。

同じ校舎を受け持ったバイトの学生さんたちとのおしゃべりも、思いのほか楽しかった。法哲学(法理学?)が専門だという博士課程の院生と、化学で院に進むという学部生と。学部生は、後光がさして見えるほど素直でまっすぐ。鴎外好きで「研究が楽しくてたまらない」という院生は、一言で言えばユニークな方だった。鈴木大拙について他人と会話を交わしたのは、これが多分初めて。こちらのたどたどしい日本語を、かなり正確に予測変換してくれるのは楽しいものがあった。

学生さん方、ブログは書いていないようで残念。どこかで出会って感じがいい人だと思って、たとえその場で名刺交換したとしても、よほどの用事がなければ、メールしたり電話したりということにはならない。あまりに大仰で。その点ブログは「この人はどんな人なんだろう」という興味を満たしつつ、気が向いたらコメントを書くという形でゆるい繋がりを保つことができる。

それにしても、書かない人は書かないなあ。一人の人の頭の中の妙な世界、知りたいのに。あ、読み始めた『数学的にありえない 上』、今半分くらいですが、面白い。