今日までは歯を食いしばって早起き。連休を挟んでの久しぶりの歯医者。前二回の治療で、ブリッジを破壊して根の治療をしたので、今日はその型取り。のはずだったが、相変わらず延々と何かを削っていた。削ること自体は別に痛くないのだが、差し込まれた鏡とかバキュームが骨に当たってめちゃくちゃ痛かった。歯の治療のたびに「Under Construction」というピクト君がツルハシを振るっている姿を連想するようになってしまった私。石灰岩の山とか。再生医療の早期実現を祈る。

そういえば、待合室に新創刊の『マリソル』が置いてあったのでチェックしてみた。どうやら『メイプル』の路線は、50代向け『エクラ』の方に引き継がれたらしい。42歳の当方は『マリソル』のメインターゲットのはずなんだが、ちょっと路線が違いすぎる。大企業で「主任」くらいにはなっているお勤めの女の人向けかな。20代は仕方ないとして、30代、40代向けの女性誌にことごとく弾かれる私って。大体、あの厚みは何事? 一定以上のページ数があるというだけで、中身は見なくてもこちらから弾いてOKな感じ(つまり、どっちもどっちなわけだ)。お勧めは「ぴかぴかで値段の張るもの」ってことで。

茅場町の本屋に立ち寄った後、先日以来気になっていた「灯ノ番」(http://r.gnavi.co.jp/a687101/)にランチを食べに行ってみた。永代通りから一本中に入った、裏手は日本橋川に面した路地沿い。1階部分は道路に面した部分がオープンになっていて、気持ちのよい風が入る。2階、3階は満席ということで、その1階のテーブル席でランチを注文。お昼のメニューは、概ね900円くらいだったかな。サラダ、ドリンク付。ドリンクはコーラやジンジャーエールトニックウォーターやクラブソーダまで選べるところが新機軸。女性のみ、一口大のデザートが追加されるあたり、よくわかってるなあ。ごはんは、量的には女性にちょうどいいくらい。味は、とっても美味しいというほどではないけれども美味しい。

そして、ぜひここに来てみたかった一番の理由は、何よりもその建物にあるので、食事の後は一渡り各階を見学させてもらうことに。1階は、テーブル席と、キッチンに面したゆったりしたカウンター席。中2階は、板の間に掘りごたつ形式(違ったらごめんなさい)。2階はテーブル席で、10人ほど入れる個室がある。この個室、大きなガラス越しに日本橋川がすぐそこに見えて、居心地よさそうなことこの上なし。この間の送別会、主賓が嫌と言っても、やっぱりここにしとくんだったー、と深く後悔する。まあ「ぴかぴか」の好きなお嬢さんだったから、連れてきても大して気には入らなかったかもしれないが。4階は、オープンエアのテラスで、天気がよければ四方のビニールの囲いを巻き上げ、雨の日は、囲いを下ろす形式らしい。こちらの階に置かれているのは、ソファと低いテーブルの組み合わせ。各階で微妙に雰囲気が違うところが楽しい。古材をうまく活用している点も好みだ。あー、誰か引っ張ってこなくっちゃ。

ランチの後は、最寄の駅まで戻って、シネコンで映画。とりあえず『バベル』。「伝わらなさ」を扱っているせいか、観終わった後にどうもしっくり来ない。素直に感動させるための映画だったの? 私が「伝わらないこと」に慣れすぎているのか。「伝わらない」ことが「悪」に結びつくのは、実際怖いと思ってるけど。病原菌が広がるのを見ていると、世界はつながっているんだなあ、と思う。つながりやすく、伝わりにくい。そんなものなんじゃないのか。愛は面倒くさい。でも、世界を維持するためには、最小限の面倒くささは引き受けなくちゃならない。せめて、面倒なものを「悪」の側に追いやっちゃいけない。ちょっと趣旨と違うか。

話題の菊地凛子嬢、私には生臭くて、どうもだめでした。髪を染めているときの顔はそうでもないんだけどね。でも、あの「受け入れられない痛み」は、疎んじられた子どもなら誰でもわかると思う。印象的な演技だった。ケイト・ブランシェットは、ロード・オブ・ザ・リング以降、私の目には2000歳の魔女に見える。困ったもんだ。なんやかんやでよく見ているブラッド・ピット。『ザ・メキシカン』とか『スパイ・ゲーム』とかのアウトドアな印象とだぶった。「国境」が似合う男だ。

映画館から出て、家まで歩いていたら、途中の居酒屋で「開店4周年、明日まで生ビール1円!」フェアをやっていた。残念だけど見送った。さらに歩いていたら、サーティワンで「ユニセフに募金してくれる人に、アイスクリーム進呈!」キャンペーンを実施していて、この辺りでは珍しい長蛇の列。これもなんとなく通り過ぎる。今から思えば『バベル』のダウンな感じのせいか? 誰かにとっては、今日の幸福の一因となったことを祈る。