先週の日曜日、カナダグランプリの決勝記録を書かないでいたら、あっという間に一週間経ってしまった。もう、感想も感想の感想も出尽くしてしまったところで、何を書けばいいんだ、という感じ。書き足すことないかも。

ニフティF1の記事によると、カナダGPの翌日のメディアが報じた三大ニュースは「ルイス・ハミルトンの勝利、ロバート・クビサの大事故、佐藤琢磨アロンソオーバーテイク&6位入賞」だったらしい(http://fmotorsports.cocolog-nifty.com/f107/2007/06/gp_7208_1.html)。まあ、その通りでしょう。

クビサの事故のシーンは、ここしばらくひどい事故を見ていなかったので、血の気が引いた。自力で脱出できなかったし。手足もがれた昆虫みたいな有様だったからね。捻挫だけで済んだと聞いて、逆に信じられない思いだった。F1カー、恐るべし。

琢磨がオーバーテイクしたとき、それ自体も凄かったけど、スタンドの人が大騒ぎしている姿を見たら、尚更感動した。これまでの6レース中で、一番かっこよかったオーバーテイクシーン。今年はなんもかんもハミルトンに持っていかれてる感じで、他のドライバーの影が薄かったから、その中で一矢報いたのが琢磨だったのは、まあまあ嬉しい。彼は、典型的な「鶏口」タイプなんだな。

ハミルトンの優勝については、「強運の下に生まれついた男」としか言いようがない。去年のマクラーレンでデビューしていたとしても、クビサロズベルグ、あるいは今年のコヴァライネンと同等の成績しか残せなかったのでは? あるいはライコネンが今年残留していたら、デビューすらできなかっただろうし。この間のレースにしても、最初のセーフティカーが入ったタイミングによっては大きく順位を下げていた可能性もあったのに、4度のセーフティカーも、彼には全く無関係といった感じだった。

それより、ここにきてアロンソが、ある種みっともない牽制発言を繰り返しつつあるところがちょっと気になる。まあ、ルノーにいる時もたまにあったけど。ハミルトン、確かに脅威だけど、「アロンソを凌ぐ」とは思えないし。良くて、アロンソと同レベルくらいじゃない? アロンソのいざとなったとき「なんとかねばる」根性を、私はだんだん好きになってきたところなのだ。ハミルトンの評価は、精神的に彼が追い詰められたときにどんな走りを見せるか、を確認してから。しかし、このまま追い詰められずに年間チャンピオンになっちゃったりする可能性もあったりするところが怖い。

ライコネンは最終的に5位だったけど、マッサがリタイヤだからまあいいや。クビサのクラッシュの後、破片を拾ったらしいし。相変わらず、コメントを読む限りでは至って冷静(http://www.theprancinghorse.co.uk/news/06_jun/2007/22.html)。ジャン・トッドも援護射撃する方向か(http://f1.gpupdate.net/ja/news/2007/05/26/152947/)。ロン・デニスがキミのことを「我々は友人だからキミの苦境を心配する」とか言ってもいまいち胡散臭い感じがぬぐえないのに対して、クマさん体型のジャン・トッドがキミをかばうのは、なんとなく信用できるような気がするのはどうしてだろう(妄想かもしれないけど)。キミはどうやら、人の共感を誘うタイプではなさそうだけど、「才能のある奇矯な息子」というキャラならば、なんとかボスの許容範囲におさまるのかもしれない。

F1グランプリトクシュウの5月号に、「F1ドライバーの戦いの半分は 正しい居場所の確保」だと書いてあったのを思い出した。今年の(最悪でも来年の)フェラーリが、キミにとっての「正しい居場所」でありますように。

あ、先週の日曜日、感想を書き損ねたのは、遅くまで起きていた上に、レースがあまりに盛りだくさんで頭がまとまらなかったこと(でも、あのレースが半分ライブで見られたのはラッキーだった)、それに加えて、その日借りてきた『天帝のはしたなき果実』を読むのが大変だったというのが大きな理由。借りる前はページ数までチェックしないからね。800ページとはいえ、京極みたいな密度でなくて助かったけど。2作目も一応、読むことにはした。新作は600ページらしい。図書館に入るのは、フランスGPの頃かな。