個人ブランド確立の手段としての読書

マインドマップ読書術 自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ』松山 真之助著、ダイヤモンド社、01/2005、ISBN:4478733007

本を読む習慣を持つ人間の考えることは、似たようなものなのかもしれない。
たくさん本を読む。賢くなったような気がする。しばらくして友だちに話そうと思う。忘れている...。せめて日記に書いておこう、ということでブログを始める人も結構いるのではないだろうか。私自身がそのクチだった。

"...何かをするべき時間にいつも読んでいた私としては、この辺で反撃に転じたい。本を読んだら即忘れるんじゃなくて、ちょっとは覚えておきましょう。覚えておきたかったら、ちょっとは書いておきましょう。"(12/22/2004)http://d.hatena.ne.jp/frenchballoon/20041222

そのうち気づくことになる。
"この数日、日記にかかりっきりでへとへと。本の備忘録にと思って始めたが、本読めない。紙の日記には本のタイトルと「面白かった」くらいしか書かなかったのが、一応、「何が面白かったんだっけ?」というところまで書くようにしたら、読んでいる時間よりまとめてる時間の方が長かったりする。今まで、いかに頭を使っていなかったかよくわかる。"(12/17/2004)http://d.hatena.ne.jp/frenchballoon/20041217

さて、ここからが本書の出番である。マインドマップとは、"コンセプトや課題などを放射状に展開しながら書く、ひとつの思考ツール"(bk1での著者による紹介)。一冊の本を読むとする。一枚の紙を用意し真ん中に本のタイトルを書く。本を読みながら、キーポイントだと思ったことや、そこから連想したこと等を放射状に張り巡らせて地図を作っていく。→詳しくは本文末尾のサイトを参照してください。

箇条書きでポイントを書くだけでは、思考の訓練としては甘い。図にすることで、何が重要で(強調)、それぞれがどう関連しているか(関連づけ)が明確になり、その本に書いてあったこと、その本によって自分が考えてことが整理され、整理された分記憶に残りやすくなる。素晴らしい。

ここまでなら本当に「読書術」なのだが、著者の言いたいことはその先にある。"せっかく読んだんだから、自分がそこから得たことを他の人にも伝えましょうよ"ということだ。テストには正解があるけれども、何かを読んで何を思うかに正解はない。100人いれば100通りの思考があり得るし、あなたが考えたことは、そのまま、あなたというブランドの看板になる。せっかく簡単にネットに繋がるのだから、あなたの考えを発表してみたらどうでしょう?新しい出会いが待っているかもしれないし、"あなた"という商品が売れるかもしれません...。

素晴らしい記憶力があって、強制力がなくてもきちんとものを考えて勝手に賢くなる人たちも世の中にはいるんだと思う。しかし私個人の場合は、日記にあげるんだというプレッシャーがなければ、相変わらず読みっぱなし、忘れっぱなしだった可能性が高い。ネットを通してのコミュニケーションという意味では、未だに勝手がよくわからないが、物言わぬアクセスログから学ぶこともある(そういうの、インタラクティブとは言わないんだろうな(笑))

構造的、体系的、創造的な思考を通して、読書を単なる「経験」から「経験価値」へ引き上げよう。そして、個人ブランドの確立を目指そう。一言で言えば、そういう本です。

MindMap倶楽部 http://webook.tv/mmclub.htm
読書マップのサンプルや、関連の本、ソフト等が掲載されています。