案外こんなだったのではないでしょうか。

お嬢様と私 3―たなぼた中国恋愛絵巻 (ジェッツコミックス)
『お嬢様と私 3』加藤四季著、白泉社、01/2005

怒涛の連載終了。今巻はボリュームがある割に、巨乳・毒薬・整形ネタのみで押し切られたような印象を受けましたが、ともあれ加藤四季先生、長いこと楽しませてくれてどうもありがとうございました。なんの開眼だか自分でもわからないけれど、中国関係の何かに開眼しました。

下級官吏の家に生まれた超現実的強欲おじょーさまが、召使に身をやつしていた皇太子を皇帝にまで押し上げ、腹黒い家臣や後宮での女の争いを乗り切っていくその姿には、同じ女性の身ながら、ほんと惚れ惚れしましたです。

強欲マイペース、殺しても死ななさそうな女のひとって、いいよねえ。目的はっきりしてるし。桑田乃梨子の森島先生もそうだけど、こういう女の人にハンサムでひよひよした男の人がついてくるのはなんとなくわかるような気がするな。表面上は泣きながら引きずられてるみたいだけど、幸せなんだよ、本当は。

SMの関係にしても、大変なのはSだって言うじゃない。「ご主人様」って従順に苦痛に耐える方が傍目には大変に見えるけど、ただ耐えてる分には頭は要らなさそうだし(プロは別でしょうけど)。...ちょっとずれましたかね。

いやつまり、生命力と決断力のある女性は、歴史をも動かすと。え、史実ではお嬢様は天命を全うできなかったのか。それをなんとかハッピーエンドに仕立てたところに改めて作者の愛を感じるなあ。後漢の時代のお話。詳しい解説をつけていらっしゃる方を見つけたので、興味のある方はどうぞ。 
☆『お嬢様と私』の世界−−漢の宣帝と仲間たちhttp://www2.accsnet.ne.jp/~kiiwako/histories/ojosama.html