そういえば

昨日、事故にあったんでした。レース帰りのワゴン車の中で、窓にもたれて眠っていたら、「ガン」という衝撃音で目が覚めた。最後部左端の席に座っていて、左側からの振動と音で目をあけてみたら、かなり巨大なキャンピングカーの助手席がすぐ隣に見え、運転席の上方に取り付けられている出っ張りが、窓ガラスから何センチも離れていない距離に迫っていて、さすがに驚く。同じように目を覚ましたらしい助手席の子どもが、シンプルに不機嫌そうな顔をしている。

もう少しで東京という料金所の手前。車線変更がうまくいかなくて、こちらの車にぶつけてしまったらしい。「ああいう出っ張りのある車にたまに乗って、いつもの車のつもりで運転していると、目測を誤っちゃうんだよね。疲れてたりすると特に」というのは同乗の方の言葉。

双方とも事故が起こったことにはすぐに気づき、双方の運転手が降りて話を始める。相手の方は、すぐに非を認めて謝った模様。こちらは、後続の関係者やレンタカー会社に電話をかけた後2、3分してから「そういえば警察に電話」「そういえば写真撮っておこう」。案外すぐには思いつかないものだ。

料金所を出たところで警察の到着を20分くらい待ち、事情聴取。作業状況を近くで見たかったけれど、「無闇に外に出ると危ない」ということで、窓越しに見物。肝心の被害は、相手の車の下部に取り付けられたステップ部分の金属が、ちょうど刃物の役割をして、こちらの車の下部をえぐって突き破った様子。幸い車の走行には問題なし。「窓ガラスにぶつかったのでなくて良かった」とは思うが、なんだかぴんと来ない。

6、7年前タクシーに乗っていたときに、前の車が突然ブレーキをかけたので追突してしまったことがあって、そのときも、ちょこっと車は変形したけれども、相手がすぐに謝ったので、事情聴取もすぐに終わった。

ということで、私にとって車の事故というのは、有難いことに、ひょいっと起こってすぐに片付くという印象。事故に遭ったのは、この二度だけ。意識の上では全然怖い思いをしなかったので、こうして忘れてしまっていたけれど、今回目にした「異常に近い助手席」は、何かの夢に出てきそうな気がする。

今日一つ知らせが届いて、むしろ、何かの厄払いだったかな、と思ったのだった。