二日目

日曜以来、まともに寝られない日々が続く。今日も今日とて、5:00に寝て7:30起床。そんなはずじゃなかったけど、なぜか1時限目から教習所の技能講習が入っているのであった。実技の当日キャンセルは1,000円徴収されるとあって、久しぶりに実家の親に起こしてもらう。飲まず食わずで講習突入。

最初の教官Eは、あまり表情の変わらない、淡々とした人。ニュートラルのNを連想する。車というものが、小さな力を入れただけでたやすく動くのに驚く。もっと力を入れて格闘する感じだと思っていた。「大きな車」と「小さな私」のつもりでいたら、車から「お前には繊細さが足りない」と怒られる。なんで動くのかわからないままに動くので、ちょっと困惑する。運転している夢を見ているとき、なんだかわけもわからずに車が走っているのだが、現実に車を走らせてみても、夢の中とさほど感覚が変わらないのはどうしたことか。ピアノ教室でエレクトーンに触ってみたときは、足と手を一緒に動かすのはなかなか大変だったが、ブレーキとアクセルを踏むのは、ほとんど意識しなくてもすむことがわかる。

二限目の教官は、ちょっと苦手だった。「頭で考えるな、体で覚えろ」ってのは理屈としてはわかるんだけど、走っている間中「今、頭で考えたでしょう。いけません」と言い続けるので、さとるの化け物を相手にしているかの如く「考えてはいけない!頭を空っぽにしなきゃ!」ということばかり考え続け、気がつけば、車はセンターラインをぶっちぎっているのであった。おまけにこの教官は説教が好きで、ただの説教なら構わないが、「いかに自分が劣っているか」を思い知らせたいという説教なのだった。「教官の説教の意図は、本当はこうなんですよ」と知らせたくなるほどには嫌な人ではありませんでしたが。目線を進行方向の先に飛ばすことが肝だということを教わる。

「教官が講習中、皆さんの体に触ることは絶対にありません」と最初に説明を受けたし、横柄だったり暴言を吐いたりする教官も、今のところ見当たらない。入れかわり立ちかわりの教官を観察するのは面白いが、疲れもする。

実技の後に学科の講義を3コマ受けて、国会図書館に行こうと思ったら休館日。これ幸いとよれよれで帰宅。夜中まで爆睡して仕事を数時間。疲れが取れない。