「教官と私」十一日目(実技10日目)&アメ横でお買い物

1限目の教官は、これまでの教官中のワースト認定。ピアノや学科の授業で出来が悪ければ、それは明らかに本人の努力不足でしょう。でも、運転の実技って、教わったことをなんもかんも要領よくはマスターできないじゃない。そもそも「どうやったら体が覚えてくれるのか」も発展途上なのに。それを、出来が悪いから不機嫌ってどういうことよ。しかも「悲観的な不機嫌」なのだ。教官、現実は面白くもおかしくもないと思って生きてるでしょう。その気分は、教習生にも伝染するんだよ。聞こえないと思ってんのか、聞かせたいのか知らないけど、ため息つかないでくれる?いや、ハンドルさばきは直してもらったけどさ。教習が始まって10分程度で、今日中に総合まで進むのはあきらめる。

2限目の教官は、教習簿を「ふーん」という感じで見た後、「まあ、いきましょうか」。10日間習っていてわかったのだが、感情をあまり外に出さず、必要以上におしゃべりせず、多少厳しめ、という先生が、一番教わりやすいようだ。教官と仲良くなっても、あるいは逆に明らかに好かれていなくても、感情的な負荷が若干加わるので、その分気が散る。あたしってば、方向指示器を出すタイミングよりも、同乗者の機嫌の方が気になるタイプだから。

ということで、淡々と悪い点を直してもらい(左折後のハンドルの戻しが遅い)、仮免の試験の要素がこれで出揃ったという安心感もあってか、全体的にかなり安定する。心が落ち着いていることがわかる。無事、みきわめ前の段階終了。

1時間半、もう一度学科のテキストを通読して効果測定2回目。またしても39点。「交差点と横断歩道」、「一時停止、徐行、注意は必要だけど徐行も停止も必要ない」が、まだ少し混同される。

天気がいいし、今日は仕事がひまなので、ものすごく久しぶりに代官山。鳥の糞で駄目にしたリュックの後継を探しているのだが、前使用していた「Hedgren」は、デザインがごてごてになっていて却下、お気に入りの「Felisi」と「Mandarina Duck」は、現在の収入ではこれまた却下。新たに目をつけていた「Orobianco」は女性物のビジネスユースがなく、男性物はかわいくなく、一つ持っている「OSAM」は存在感が少し薄くなっていて、二つ持っている「Jack Gomme」の代官山店まで足を伸ばすことにしたのだ。

多分ここ1年くらい代官山には来ていなくて、「Jack Gomme」は以前の位置になく、シグマリオンで検索して恵比寿駅寄りに移転していることがわかる。ハリウッドランチマーケット系の「Toll Free」もなくなっているが、面倒なのでこちらは次回に回す。街歩きを始めたらきりがないので、他に立ち寄ったのは「VIA BUS STOP」と「蜷川実花展 floating yesterday」だけ。

ビジネスユースの鞄は「ナイロン」と「革」の混成を偏愛していて、値段と重量の点から、ナイロンだけでも可。「Jack Gomme」は、安くて色のきれいなナイロン製のメッセンジャーバッグを作っていたものだが、久しぶりに現在のラインナップを見ると、作りが良くなった分値段も上がっている。

恵比寿から御徒町まで移動。今愛用している登山用のパンツがそろそろ寿命なので「OD BOX」でチェックしてみたが、ひとえ仕立てですっきりした海外物がない。まだ陽が暮れないので、これまで未踏の地だった、アメ横の線路下の建物を探検。

今日一番の収穫は、「イタリヤーノ」という靴屋さん。当方は靴や鞄は基本的にイタリア製品が好きで、しかし、百貨店に置いてあるようなブランドのものは値段もデザインも範疇外で、一番ぴったり来るのは、名前も大して知られていないような小さなブランドの製品である。ところがこの手の商品は、日本に決まった流通ルートを持っていないのか、本当に偶然にしかお目にかかれない。「イタリヤーノ」を通りかかって、まさに私向けの靴が並んでいるのを見て、嬉しかったなあ。銀行勤めの後二代目を継いだという店長は、イタリアと靴の話がとても面白くて(バブル期は、グッチの靴が野菜のように売れたそうだ)、しかも二足のうちどちらを買えばいいかさんざん迷っていたら、二足とも買えるようにおまけしてくださいました。このご恩は、稼いだときにきっと。

もう一軒、布製のかわいい鞄を1,000円〜3,000円くらいの値段で売っている「My Bag」というお店で、コーデュロイのリュックを購入。金具と合成皮革はいまいちだけど、コーデュロイは秋らしい。

久しぶりに買い物らしい買い物をして、かなり楽しかった。しかし、舶来、色味のきれいなナイロン、頑丈、A4が入るサイズ、1万円以下のリュックはどこで見つかるのかなあ。