「教官と私」十三日目(実技12日目)

昨夜ビールを適量摂取したせいか、目覚ましもセットせずに寝入ってしまい、気がついたら朝の6時半。昨日の日記を書いた後、洗濯機を回しながら今日の仮免の検定の学科の復習に取り掛かる。はてなの「効果測定」の項目は異様に充実していて、「学科試験ソフトウェア」のところから「学科試験問題ver1.13」にアクセスしてソフトをダウンロード、基礎問題を解き終わったところで教習所へ。実技の検定が始まる20分前に、大急ぎで効果測定の4回目を受ける。42点なり。

まずは、試験のコースをあらかじめ教室で確認し、コースと検定の手順の説明を受ける。9人の教習生が3組に振り分けられ、当方は、同じ組の3人のうち、3番目に運転するよう指示がある。担当の教官は、今日初めて顔を見る先生。遮光器土偶あるいは、みうらじゅんの描くいとうせいこうを連想する。コースまで車で運ばれた後、当方は、コース内の待合室で最初の運転者の運転終了を待つ。

2番目の若い女性が運転席に移動し、当方は後部座席へ。他人の運転を同乗して見るのは初めてなので、大変興味深く観察する。仮免挑戦2回目とのことだったが、一つ一つの動作がスムーズとはいかないものの、ゆっくりで着実な運転。「きっと、私の歴代の教官たちは、こういう風に運転してほしかったんだろうなあ」と思う。ゆっくりになりすぎても決してアクセルを踏まないのは、何かのポリシーなのかな。「これ」とわかるミスは1箇所だけ。全くうらやましい。

いざ本番。ポンピング・ブレーキがスムーズに行かないが、これは、その日の乗り始めではいつもそうなので、気にせず行く。難しいことは今更考えられないので、心がけるのは、教官に補助ブレーキを踏ませない、すなわち「ぶつからない」「飛び出さない」これだけ。20点の減点を一度にくらうより、5点の減点を4回もらう方向で。

大過なく坂道発進を終えた後、クランクに入るところで誤ってワイパーが作動。これまで一日も雨が降らなかったおかげで、ワイパーというものに全く縁が無く、どうしたら止められるのかさっぱりわからない。混乱が何秒続いたかわからないが、教官から「ハンドルにだけ集中してください」と指示が飛ぶ間に車はクランクに入り込み、いつもハンドルを切る地点は10センチほども過ぎてしまったが仕方がない。そこから目いっぱい右に切って、前方の仕切りに触れるか触れないかの状態で通過を試みる。ぎりぎりセーフ。S字も、よくわからないままに無事脱出。

予定外の難所を勝手に作って勝手に切り抜けたせいか、なんだか急に冷静になって観察してみると「この、下手くそな運転してる奴誰だよ」な状態。確かにクリティカルなミスはしていない。でも、過去数時間の間にかなり矯正してもらったはずのハンドル捌きが、また元に戻っている。「私のデフォルトは、この運転なのだ」ということが強烈に自覚され、そして、覚えておこうと思った。

「ぶつからない」「飛び出さない」戦術がうまく行ったらしく、結果は合格。クランクでの操作をぶつかったと判断されてたらアウトと思っていただけに、拾い物の合格だ。「運転下手くそ」と教官からけなされるが、あれで「なかなかじゃないですか」とか言うようだったら、その人は嘘つきである。受験者9人のうち、合格者は6人だった模様。

その後、学科を受ける。何点くらいか予測できず。合否の結果がわかるのは月曜日だとか。不動尊にお参りして帰る。本堂で焚かれる護摩の火に、しばし見入る。

明日は、13日ぶりの教習所お休みデー。むしろ、教官方にお礼を言いたい気持ち。路上が待ちきれない(わくわく)。