「教官と私」十七日目(実技16日目)

なんだか8時半過ぎにはおうちを出る準備ができてしまって、我ながら立派過ぎる早寝早起き。免許が取れてしまったら、さぞや気が抜けることだろうな、という考えが、ちらっと頭をよぎる。

最初の1限は、経路設定の学科。地図見るの好き。2限と3限、お昼休みと学科1コマをはさんで5限は、路上にはほとんど出ずに、誰に聞いても難しいという方向転換&縦列駐車。車体の感覚いまいちつかめてないのに、どのくらいバックしたらいいのかなんてわかんないよ、と思っていたら、「目線は後ろの三角窓のなんとかに合わせて」「右のドアミラーに後ろのポールの一番端が映ったらハンドルを戻して」みたく、がっちり目標設定がしてあるのだった。大まかな手順と目視位置を間違えなければ、放っておいても定位置に収まる仕組み。なーんだ。とはいえ、路上で駐車している車の間に縦列駐車しろと言われたら、「絶対やりたくない」。3限目に申し送りを一つもらうが、4限目には一応、問題なしのお墨付き。

2限の先生は、一昨日もお世話になった穏やかな先生。昨日ポンピング・ブレーキができるようになったので、運転ずいぶんスムーズになったはずなんですが、どうでしょう?

3限目の先生は、初めて担当していただく多少スポーツ新聞に近しい感じがするざっくばらんなおじさん。あ、この時間に「急ハンドル」「急ブレーキ」「ブレーキなしでカーブを曲がる」演習をやったのだった。どれも実は以前から試したかったことなので、嬉々として挑戦させてもらう。「うまい!度胸あるねえ」と珍しくほめられて、特にお世辞を言うタイプではないと思われるだけに、ちょっと嬉しくなる。でも、教官が横についていてこの程度を怖がる人がいるのかなあ、と思ったら、「怖くてできない人もいる」んだそう。

4限目の担当は、毎度おなじみH先生。仮免の「みきわめ」以来の運転とあって、さすがにこちらからは「上手になったね」と期待した通りのお言葉が。なぜか、同じ教程の車がめちゃ込みで退屈なので、すれ違う車の教官名の言い当てをして遊ぶ。担当していただいた教官に関しては、1人を除いて全勝。教習が終わって車を降りるとき「これから頑張ってね」と声をかけられ、「え、これからもまたお世話になりますよ」と返すと、「4回以上は担当しちゃいけないことになってるんだよ。だから、これが最後の担当」。だから頑張ってね、と。いや、所内では会えるんだけど。運転3限目のなんだかめちゃくちゃな頃に、あれこれ言わず、辛抱強く見ていてくれた人だ。免許取れたら、一番の報告はこの方に。

授業を1コマ受けて、一回霞ヶ関に出て、そういえば、明日一番の「経路設定」の実車の準備をしていないことに気づき、教習所に取って返す。ついでにもう1コマ学科を受けて、長い一日終了。1日7時間受けたのは昨日に引き続き2回目。気づいたら、学科の残り時間数はあと3コマだけ。今日は3コマもY教官の講義を受けちゃった。(12/10)