メロンは天下のまわりもの

一昨日サーキットにいるとき、京都のアルバイトの先生から電話がかかってきていて「振込みの件で話がしたい」と留守電が残っていた(この方が電話してくるのって、いつもサーキットにいるときなんだよな)。金額をどうこうという話だったら面倒だなあ、と思いつつ昨日サーキットで折り返したところ、「直接取りに来てください」という連絡だった。どうやらおしゃべりがしたいということらしい。

ということで、眠い目をこすりながら、朝、先方へ出向いた。思ったよりはバイト料が多かったことだし、何か持っていこうかな...。とそこで目に入ったのは、昨日友人から貰ったマスクメロン。友人の友人の実家が生産者だとかで、友人の友人ということは、私にとっても、その辺の八百屋さんよりはずっと大切な関係者である。それを贈答品なんかに転用してよいものだろうか、と思って友人にメールを打ったところ、こころよくお許しが出た。いわく「メロンは天下のまわりもの」。

場合によっては渡さずに済むよう、大きなリュックにメロンを隠し、駅二つ分離れた先生の事務所へ。「麻薬シンジゲート団摘発の際大きな功績があった」などという楯を横目に見つつ1時間ほどおしゃべりし、いざお金の受け渡しという段階になって、財布からお札が取り出されたまではよかったが、予科練話が佳境に入り、先生は右手に壱万円札を握り締めたまま話に熱中していらっしゃる。「盥をこう二人がかりで抱え上げて」と両手が上がると、お札も高々と持ち上がる。「意識するまい」と思っても、当方の視線は、先生の手の動くままに、高く低く、左へ右へ。

メロンは大変喜んでいただけたようだ。当方はこれで、マニュアル免許の教習代がまかなえる。まあ、時給4千円が確定したので、今後のアルバイトの際気を揉む必要はなさそうである。いや、おしゃべりとおみやげのメロンは必需品だと思った方が良さそうだが。まあいいか、こういうのも。たまには。