つれづれ

やっぱり体鍛えないとだめだなあ。先週末の300キロ一人ドライブは集中力とアドレナリンで乗り切ったけれど、その後のフォローがダメダメの一週間だった。タイミングも悪かったといえる。普段の私の本業では、電話で人と話す必要がほとんどないので、電話は出られるときにしか出ない。朝方に寝床に入り、午前中は眠っている。それが今週は、不定期に人の連絡を待たなければならなかったので、通常であれば寝ている時間帯に電話をかけたり受けたりしていて、眠りのコアタイムとも言える8時から11時くらいは必ず起きて過ごす羽目になった。連絡の合間に仮眠を取るのだが、妙な時間帯に電話の呼び出し音を気にしながら眠ったとて、切羽詰った夢を見るだけで全然疲れは取れないのだった。客商売はつくづく無理。

おまけに、読みにくくて進まない本にけりをつけようと、初読み篠田真由美の『東日流妖異変 (祥伝社文庫―竜の黙示録)』を手にしても、相変わらず全然進まない。津軽キリスト教伝説がモチーフとくれば面白くないはずはないのだが、白皙の美青年ヴァンパイヤ、両性具有の猫族の妖怪変化、これに「美少女」という取り合わせならまだしも、26歳の、とりたててどうということもないのに「選ばれてしまった」ラッキーな女がヒロインというのは、どうにも食指が動かない。そもそもヴァンパイヤ物って相性悪いのよね。笠井潔ですら途中放棄しちゃったし。アン・ライスのその手の小説を読んでいないのも、その点が危惧されるからともいえる。キリスト教に関する造詣が深いとのことなので、もう1冊『原罪の庭』までは読んでみようかと思っているけれど(建築探偵のシリーズ中これが一番面白そうだから)。

その後に読んだ『密室の鎮魂歌(レクイエム)』は、打って変わった読みやすさ。ネーミングのセンスがちょっと古めかしいことを除けば、ミステリとしても小説としてもよくできていると思う。謎解きに紋章や家紋が絡んでくるのも素敵。天才と凡人、両方の人物を書ける作家さんは信頼できる。東京創元社には、感じのいいお姉さん作家の伝統があるよね。

くそったれ、美しきパリの12か月』も、やっと読み終わる。パリにやってきたイギリス人がおねーちゃんを追っかけて振られっぱなしの馬鹿話で最後まで行くかと思いきや、狂牛病(主人公はフランスの食肉会社に雇われている)、FN、デモ、原発建設等々、フランスの社会問題が、ちらっと、しかし思いがけない身近さでもって主人公の生活に一瞬、影を落とす。下手な旅行記よりは多分面白い。ところで、フランスで英国式ティールームを展開するプロジェクトを任された主人公が同僚に店の名前を募ったところ、社長自らが「マイ・ティー・イズ・リッチ」という命名を行う。「それはいい」と喜ぶ同僚たち。「そんな英語は変だ」と猛反対する主人公、という場面。この名前の何が面白く、何が変なのか理解できない自分が残念であった。

関係ないけれど、イタリア語には「farniente」という単語があるという。「なにもしないことをする」。Alta Vista辞書で「徒然」を引いたら、「vain nature」と出てきた。

全く関係ないけれど、『殴り合う貴族たち―平安朝裏源氏物語』に「後妻打(うわなりうち)」という単語があったな。意味は「一人の男の妻の座をめぐって前妻が後妻を迫害する」。

同じく新出語。「メンサ」。→人口比上位2パーセントのIQの持ち主クラブ。

昨日は国会図書館に行った後少し時間が空いたので、ブリヂストン美術館に「雪舟からポロックまで」展を見に行った。財団50周年の所蔵作品展なので、いろんなものが少しずつ。お目当ての国吉康雄は「夢」と「横たわる女」の2点。青木繁はここが持っていたのか。アンリ・ミショー、初めて見た。1点だけの、ほんの小さなレンブラントから有り難い感じがひしひしと。ドーミエの伝記が読んでみたい。

やっと、GEOLANDのDVDレンタル再開。ここ数ヶ月会費の無駄遣いをしてしまったので、どんどん見ることにする。英語のためには英語のDVDがいいんだけど、ひとまずジョニー・トーの『PTU [DVD]』。うーむ。香港の警察物であれば何でもいいとはいえ、同じDVDの宣伝部分に入っていたアンディ・ラウの笑顔にくらくらする。次は何でもいいからアンディ・ラウ