始末書は出さずに済んだ(外注でも「始末書」って言うんだろうか)。

午後から大手町に出て『Business Blog & SNS World』をちょっと覗く。興味深い講演は既に全て終了した後で、『Web2.0 BOOK』で読んだ以上のことは何も入ってこなかった。それでも、聞き流す間に、全然別件で一つ思いついたので、まあよしとしよう。IDGは、無料でお土産つきイベントを組んでくれるのでありがたい。

駆け足で新宿の紀伊国屋に注文した本を取りに行き(「BOOKWEB」は店頭在庫がわかるので便利)、駆け足でABC青山本店に移動して、多和田葉子さんのトークイベント(http://www.aoyamabc.co.jp/events.html#ao20061117_1)。『容疑者の夜行列車』が、ユーラシア大陸を列車で移動する話だったのに対して、新作の『アメリカ―非道の大陸』は、アメリカを車で移動する話らしい(今日購入したのでまだ読んでいない)。多和田さんは、豊かな緑の黒髪を持つ、輪郭のはっきりした美女だった。多和田さんが朗読をすると、空気に皺が寄ったり伸びたりした。作品の終わり方が唐突だという話が出たとき「増殖していく状態を作り出すのが作品であって、収束してはならない」というようなことをおっしゃっていた。

聞き手の管啓次郎さんは、一つ質問をなさった後、その話題が深まるかと思いきや次の質問に移ってしまうので、ちょっと物足りない感じが残った。多和田さんの回答は、どの質問に対するものであっても面白いのだが、「1たす1は2」式ではなく、あくまで多和田さん固有の感覚に基づいている。飛行機を魚に見立てるとか。多和田さんにとっての「運転」に関する話が聞けたのはラッキー。曰く「33歳で免許を取得するのに100時間を要した」とか、「運転は、嫌いでもやっている唯一のこと」だとか。ちなみに、新著は車で移動する話だけれど、ほとんどは「人に乗せてもらう話」なのだそう。アメリカに対しては、「何かあるけど何だかわからない」。関係ないけど、ブレヒトアメリカに渡ったとき「運転するためにアメリカに来た」と言ったそうだ(以上、正確さは保証できません)。

明後日、こんな催しも開かれる模様。