ぼんやりしていたら、世間のお盆を何もしないまま消化してしまった。

気を取り直して、夕方からは映画館へ。『ドッグ・バイト・ドッグ』『傷だらけの男たち』、久しぶりに香港映画2本立て。

残念ながら2本とも、期待したほどではなかったなあ。『ドッグ・バイト・ドッグ』は、そもそも設定が残酷で。孤児を集めて、賭けのために殺し合いをさせるっていうところからして、見ててつらい。そこに「愛を知らなかった男が初めて知った、かけがえのない愛」だとか「理想の父親=警官の虚像を、自らの手で葬らなければならなかった男の葛藤」とかいう妙に甘い味付けがされていて、全体的に劇画チック。復讐のために、殺人マシンと化したサム・リー(『メイド・イン・ホンコン』以来。すっかり俳優らしくなっちゃって)の再登場のシーンには、思わず笑ってしまった。

それでも、エディソン・チャンはやっぱり魅力的だったけど。この子、いつも突っ張った役どころで、顎が上がっていることが多くて、その顎の下には、まだ全く贅肉がついていない。若さの特権。この勢いで、しばらく走り続けてほしい。

『傷だらけの男たち』も、アンドリュー・ラウアラン・マック組にしては、テンポがいまひとつ。金城武トニー・レオンって、並べて出すには相性悪いのでは。金城君は、体ばかりでなく、顔までが大きすぎるように写るし、トニー・レオンは貧弱に見える。トニー・レオン、眼鏡をかけると、いきなり胡散臭い営業マンみたいな顔になっちゃう。篠田三郎に似てる。金城君、警官にしちゃあ、顔も体もふにふにしすぎじゃないかしら。まあ、途中からアル中の私立探偵役だから構わないけど。

トニー・レオンが「完全な悪人」になるというので期待していたら、別にサイコな殺人鬼じゃなくって、普通に理由のある悪人だったので、それもちょっと期待はずれ。殺人事件のからくりも、わかるんだけど、ちょっとすっきりしなかった。顔立ちが整いすぎない、生活観のある女優さんたちが脇を固めているのは、香港映画らしくてよかった。

2本ともなんだか甘味料強すぎて、胃にもたれる感じ。ジョニー・トーの後味が懐かしい。

今日発売の『Pen』はフェラーリ特集。愛しのライコネンのインタビューが載ってないかしら、とぺらぺらめくってみたけど、現役フェラーリドライバーとして、ちょこちょこ写真で登場するのみ。フェラーリには、黒のポロシャツもあるのね(胸に赤い跳ね馬のワンポイント)。これなら着られるかも。といっても、今年F1観戦の予定はないのだった。