ああ、やっぱり。クラッシュ後の、まだ傷の癒えないライコネンの渾身の走りも、イタリアのマスコミにとっちゃなんの意味もなかったってわけだ。これで1位を取ればまた違ったんでしょうけどね。しかし、ハミルトンからオーバーテイクされたことを「恥」と切り捨てるってのも乱暴だよなあ。あの日のレースペース、違いすぎたじゃない。挙句の果てに「アロンソこそフェラーリにふさわしい」とは、本音言いすぎだ。

ライコネンって、大成しないタイプなのかしら。若手の間は目をかけられても、自分が中堅になったときに周囲を引っ張っていけないサラリーマンに出世の道がないように(ほんとか?)、リーダーシップを取れないドライバーは、結局チャンピオンにはなれない? F1も会社と一緒? かのトヨタの人は「ドライバーにリーダーシップなんて要らない。エンジニアが作った車をベストを尽くして走らせてくれればいいんだ」って堂々と言ってましたけどね(先月号のグランプリトクシュウだかで)。

こうなったら、ファンとしては、ライコネンが「勝てる男」へと成長できるかどうかを、腰を据えて見守るしかない。彼の「走り」を愛しただけなのに、「人生」まで付き合わせるとは罪作りな男だ。2003年、最初にチャンピオンシップに絡んだときは、彼の未来には一点の曇りも存在しないように見えたんだけどなあ。あの頃が懐かしいよ。

それとは別に。車がまだしっくり来ていないのかもしれないけど、今年のライコはミスが多すぎ。その点は改善してほしいよね。

スーパーアグリが新しいパートナーを獲得とある(http://fmotorsports.cocolog-nifty.com/f107/2007/09/st_13db.html)。パートナーだから、スポンサーとは違うのかな。いつも思うけど、なんでこれだけ頑張っていて結果も出しているチームを、日本の企業は放っておくかな。「そんなお遊びに付き合っている余裕はない」? 世界に冠たる自動車立国のくせに、自動車文化のために払う金がないとは。と、スーパーアグリに対してそんなにファンでもないけどその活躍ぶりにそれなりに心を動かされている私は思うのだった。