せっかく気候がよくなってきたのに、目をさますと、目や鼻が乾いていてちょっと不快。夏の蒸し風呂のような湿度に慣れていたせい?

おまけに、仕事の電話が入るかもと思うと、ちょっと欝。世の中の自営業者のほとんどが「電話が鳴りますように!」と祈っているだろうに、不届千万。「電話を取るのがものすごく嫌」。この1点だけで、自営業者失格だよな。ついでに「朝起きるのが嫌」「雨の日は外出する気になれない」「混んだ電車が嫌」「お片づけできない」「どんな非常時にも趣味の読書がやめられない」等々並べていけばきりがない。「業務」か「周りのスタッフ」がとっても好きなときは、それでもなんとか回せるのだが、生憎今は、「好き」が決定的に欠けている。

ちょっと我慢の日々が続くと、ある日突然何もかもぶち壊して周囲を驚かせる羽目になるので、なるべく無理をしないように生きてきたところ、確かに今の私は、かなり「しがらみ」から自由であるような気がする。しかしある日、新しく選んだ仕事は、「人間関係」無しでは回せないことに気付き、さらに、この場合の「人間関係」は、そのまんま「しがらみ」のことである。一度脱出した場所に、また戻っていかなくてはならないのか。いや、戻れるならとうに戻っている。でも、夜中に小説が佳境に入ったとき「明日がある。ここでやめておこう」と潔く電灯を消すことが、できない。優先順位を守れず、「仕事しなきゃ」という強迫観念に苛まれながら、だらだら遊んでいる。

「基本的な生活習慣」がきっちりしてる奴が、人生勝ちかな、とこのところつくづく思う。

ハーラン・コーベン発見。怪我で選手生命を絶たれ、スポーツ・エージェントに転進した主人公が、ジョークというよりは戯言をとばしながら、業界の事件に飛び込んでいく。近頃の妙に純文学っぽいミステリはいまいち気楽に読めないので、久しぶりに単純に楽しめるミステリに出会えたのは嬉しい。もう一つの楽しみは、やっと入手した『さざなみCD』。現在PCでiTunesを聴けないので、まだiPodで一度聴いただけだけど、なかなか。パワー的には『スーベニア』が上かな。でも「どうしようもない自分のやるせなさ」を、こんなに甘く歌える人は他にいない。それでいて、自己憐憫に立ち止まらず、ほんの1ミリだけでも外に出ようとする努力をそっと後押しする。説教臭さは微塵もなく、しかし得られる法悦は限りなし(は言い過ぎか)。ああ、私も飛び出したい。しかし何処へ、である。42にもなって。