エプソンで今日までメモリ増設キャンペーンをやっているので、実家用にノートPCを1台見繕う。父親は趣味の写真が絶好調で、今年はアマチュア向けの展覧会に4つばかり入選し、その度に、米5キロとか、賞金3万円とかを稼いでいるという。この間電話で話したとき「PCの調子が悪くてなあ。店に相談しても、これ以上はどうしようもないて言うのよ。お前買ってくれんか」と言っていたのを適当にあしらっておいたが、PCが限界なのは確か。だって、メモリー512MBにハードディスク40GB。外付けハードディスクもすでに写真のストックで満杯だとか。おまけにノートン入れてるんじゃなかったっけ。「写真をやる友人がPCにも詳しいから」ということで5、6年前に購入を手伝ってもらったのだったが、せめてメモリは1GBにしといてほしかった。

父親には「まずい物を高くで買う」という悪癖があるので、安いのをこちらで1台買って送ろうかなあ、と思って、とりあえず見積もりだけでも、ということでエプソンに電話。「Core 2 Duo」「メモリ2GB」「ハードディスク120GB」を条件にしたところ、「写真をやる方ならぜひVistaのHome Premiumを」とかなんとか言われて総額17万円。「ちょっとプレゼント」っていう金額じゃないよな。CeleronにXPでも、今の環境よりは随分ましになるような気もするんだよなー。

私には(ついでに兄にも)、父母にプレゼントの習慣は全くないのだが、「絵を描きたい」とか「踊りたい」とか、とりあえず表現のために頑張っている人には、ご祝儀を出す個人的習慣がある。友人が舞台やら展覧会やらに出演・出品するときだけは、なるべく顔を出すようにしているし、お土産も持っていく。父は、PCに関しては相性が良く、活用度は文句なく高いので、まあ多少値が張っても「生活必需品」として多少の援助は許容範囲だと思われる。

というような話を母にしてみたところ、これが猛反対を食らう羽目に。「そのお金、パパに出すくらいなら私にちょうだい。このところ調子に乗って毎日写真撮りにほっつき歩いてるくせに、ガソリン代はこっちに請求するんだから。なんでアンタまで向こうの味方なのっ!」と、大変なご立腹である。これまで鳴かず飛ばずだった父が、今年は写真でささやかな結果を残したのに対し、母の絵は今年は目立った戦績を残せなかった。父の積年のねたみ・そねみ・僻みっぷりを考えると、多少調子に乗っていようが、機嫌がいいのは有難いはずなのだが、母はそれじゃあ面白くないのである。「でも、PCの使い勝手が悪いってのは、PC使いにとっては死活問題だし...」と反論してみるが、「どうせ自分のことにしか使わないのよ。こっちのホームページを作るとか、私の役に立つことはちっとも頭にないんだから。あんたが仕事に使うのとは訳が違う」、よって新調する必要なし、とのご託宣であった。

父は徹頭徹尾自分のことしか考えられない人なので、母の立腹はわかる。しかし「HPを作ってくれない」とか「車に乗せていってくれない」とか、父が「何かをしてくれない」ことに腹を立てるという思考パターンは、独り者の私にとってはいらいらする要因でもある。かといって「どこに免許を取るような時間とお金があったと思うの」と言われれば、反論する言葉もない。

妙にとがっているなあ、と思ったら、眼科で検査結果を待っているとのこと。朝起きると、片眼の視界に黒い大きな点が現れるという。医者が「白内障ですね」というのを、眼底検査をしてくれるようにお願いし、検査を済ませたところだという。

夕方になって簡単な説明を受けたと電話が入り、薬も病名もうろ覚えだったので、病院に戻って病名を確認してもらったところ、「網膜静脈閉塞症」とのこと。その場でネットで調べると、眼の病気というよりは、高血圧から来る症状のようだ(http://www.skk-health.net/me/05/index.html)。高血圧の診断を受けていたにも関わらず、医者嫌い・薬嫌いで、これまで何の対処もしてこなかったツケが回ってきたようだ。しかし、絵描きにとっての眼だ。今回ばかりは観念して薬を飲まないわけにはいかないだろう。「完全に失明することはなさそう」との見立てで、ちょっと安心する。

何でもいいから、好きなだけいがみ合ってくれていいから、とにかく元気でいてくれ。(2008/01/22更新)