全日本F3第18戦@スポーツランドSUGO

frenchballoon2008-09-21


「Smooth」とプリンで乾杯中。全日本F3最終戦で、安岡秀徒君、優勝。フォーミュラ・トヨタ時代を髣髴とさせる、力強い、華麗なレースだった。ナショナル・クラスでいつも別格の速さを見せる山内君がメカニカル・トラブルでペースが上がらなかったとはいえ、スタートで5位に落とした順位を周回ごとに一つずつ上げていく様は、オーバーテイクを4回見せるための演出であるかのごとくだった。
こういうレースが見たかった。もう何年もの間。もう、見られないのかと思ってた。だけど、見ることができた。ちゃんと、見せてくれた。
いろんな要素がぴったりと噛み合わなければ、勝てなかっただろう。だから、雨にも、上がらない気温にも、私には初めてのサーキットにも、チームの方々にも、一緒に応援した人たちにも、なんだかみんなに感謝したくなった。
「雨のル・ボーセ」を象徴して、全日本クラスの嵯峨宏紀君も、トムス勢を差し置いてファステスト。久しぶりに4位入賞。こちらもおめでとうでした。
今期のレースも、これで終了。帰ってきた東京は、雨は上がっていて、でも、路面はまだフルウェットの気配。風が冷たくて気持ちいい。
岡山の一日を除いて、今年の観戦総数17戦。「ただそこにいること」や「そこにい続けること」の意味、苦しい戦いを強いられた人の戦いを見ることから得る痛みと解放、音楽を演奏するときに向き合うものと同じ何か、道中、車の硬い座席での居眠りの中で癒される何かが、レースにはあった。
日常の中の私は弱い。戦力は足りず、いつも逃げ腰で、かといって、戦わずに済ませるだけの余裕もない。目をそらさないように、自分の中の怒りや焦りを制御し放電させるために、たまに山に行ったりもする。「具現化された戦闘」は、私にとって感覚として近しく、必要なものだ。少なくとも、まだ今は。
夏とレースシーズンの終わりは、ちょっとした虚脱感を引き起こす。それでも日常は続く。その次の希望と絶望に向けて、また戦闘の準備が始まる。
また、頑張りましょう。久しぶりの勝利の味は、私にとっても励みになったよ。とりあえず今日だけは、お疲れ様でした。