frenchballoon2008-11-18


鼻のつるんとした人を見ながら、「この人に私を認めてもらうためには、どうしたらいいのかな」と胸を痛めていた。昔はよく、この「認めてもらいたい」と恋愛を無理に結びつけて、しなくてもよい苦労をしていたものだが、今はもう、そこまで愚かではない(3割くらいは負け惜しみだけど)。
今の自分が「いい仕事をしている」か「仕事で金を稼いでいる」かしていれば、こんな思いはしなくてすんだのに! という意味では、仕事にしか興味がない。逆に言えば「いい仕事をしている」か「仕事で金を稼いでいる」かしていれば、相手にたとえ認められなかったとしても、それは純粋に「好み」の問題だということなので、後悔とやり残し感が生じない。それにしても、怠け者の私を唯一動かすのは、この「好みの男に認められたい」という感情だけなのだ、ということを、否応なく思い知らされる。私には、私自身の理想や目標はない。
当事者になってしまうと緊張するので、「この、私を久しぶりに動かす男の、いったいどこがいいのだろう」と観察モードに入るところが、自己規制っぽくて我ながら可哀想だ。自分のペースを思い出せず、多少困惑した。
「あんたのことは、絶対に認めたくない」と、最初に会ったときから頑なな態度の男性と、ちょっと用があって話す。「私のことを認めても、あなたの世界は壊れないよ」と私は思っているが、そんな類のことを話す機会は、多分一生無い相手。ちょっと質問したら「常識があればわかるでしょ」と冷たく返される。まあ、相手からは嫌われているが、こちらはそうでもない。要するに、摩擦を引き起こすほどの興味と接点がない。

カイシャデイズ』読了。小さな会社の仕事の現場を書かせたら、この人の右に出る人はいない。今回の舞台は、内装屋さんだった。今週は数をこなす必要があるので、楽しみにしていた『ジョーカー・ゲーム』を昼日中から読む。森美夏の装画のせいか、『北神伝綺 (上) (角川コミックス・エース)』とイメージがだぶる。そのまま森美夏のマンガになりそうな、なんというか、大塚英司の原作小説っぽい作り(褒めている)。こういうの、もっとたくさん書いてほしい。柳広司は、力作『トーキョー・プリズン』以来2作目。全作挑戦してみようかな。

時間をやりくりして2冊読んだのに、図書館に行く時間が取れず『甘粕正彦 乱心の曠野』が落ちてしまった。これは買ってもいいかな。