合唱日和でありながら、二つとも聞きそびれたこととか

今年の仕事は、これで終了。といっても本業は23日から冬休みに入っていて、終わったのは原稿書きのほう。軽い原稿のために一昨日無駄に徹夜しちゃったので、本番の昨夜が眠いこと眠いこと。夜の10時から作業を始めて、今朝の10時に余裕で終わっているはずが、気がつくと落ちてるし、MDを50回くらい聞き直さなきゃならないくらいの集中力しか残ってないし。

おかげで、最終的に片付いたのは、締切2時間後の午後2時。「勘弁してくれよー」と担当者からは怒られ、年末の最後のやり取りで怒りたくないのに怒らなきゃならない不機嫌さが伝わってくる。済まぬー。普段は「ちょっとどうなのよ」と思うことがなきにしもあらずの人だが、話が全く合わない割に、この人から直接の害を被ったことはなく、むしろ迷惑をかけるのはいつもこちらのほうだというのが、めぐり合わせという不思議なのかもしれない。

ぼろぼろの状態にありながら、実は、もう1件取材をする心づもりでいた。結構重要な催しでもなぜか開催報告が出ないことはこの団体の場合結構よくあることで、今日の夕方の講演の記事をどこも出さないのであれば、簡単な開催報告だけでも書こうと思っていたのだ。しかし、問い合わせたところ、どうやらどこぞが記事を書くらしい、ということで、ダブルヘッダーは免れる。ここでベッドに直行せずに、ちゃんと化粧して外出したのは偉かったのだが...。もう1件の用事のため友人に電話をかけたら、ここ数日の緊張が解けたせいか、我ながらハイテンションのマシンガントークが止まらない。タクシーに乗るはずが駅に着いてしまい、さらに乗換駅まで一駅歩いて我に返ると、夕暮れの相生橋から眺める豊洲方面の水景の、なんと美しいことよ! しかしもう、講演にももう一つの用事にも、全く間に合わない。「ねえあたし、今日これからどうしたらいいのかな」と友人に尋ねたら、呆れてました。

結局、とぼとぼ歩いて帰宅する。つらつら考えるに、今日の講演に行けなかったのはまずかった。今後の取材のために話を聞いておきたかったというのが一つ、でもそれよりも「こんな暮れの押し迫った、しかもクリスマスの日に」その場にいる、というのが重要だった可能性が。「そこに居合わせる」というのが何よりも大事な「場」というのが、たまにある。一日一つ以上のノルマをこなすのが難しい自分だということは承知しているが、頑張っておいたほうが良かったのでは、と珍しく後悔が後を引いた。しょぼい仕事納めだ。

ぽっかり時間が空いたので、昨年だかにオープンしたツタヤへ。もう、何もかも置いてなくてがっかり。CD5枚レンタル1000円は良いのだが、結局電気グルーヴの新譜くらいしか借りるものがなかった。『ザ・ミッション 非情の掟 [DVD]』も、『エグザイル/絆』が似ているという『ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]』もない。やっぱりオンラインレンタルかなあ。

7時に頑張って帰って来たものの、そういえば今日のスケートは夜中だけなんだった。あー、そういえば、今日は大学のサークルの定期演奏会だったんだよなー。今年も行けなかったか。そのかわりと言ってはなんだが、昨日たまたま見てすごく楽しかった『クワイア ボーイズ』(http://www.nhk.or.jp/dramatic/backnumber/144.html)の続きを見ることにする。合唱なんてたるいこと、やってられるか、の男の子たちの間に入って、合唱のすばらしさを伝えようとする若い教師。フィクションではなくて、ドキュメンタリーである。イギリスの、お貴族様が通うんじゃない男子校って、こんな感じなんだなあ。有色人種が多い。先生の、クラシックを愛する人特有の感じは、万国共通。ただ、「合唱」というものの教え方は、随分かの国では違うんだなあ、と感心する。高校までの音楽の授業を思い出すと、まず優先されるのは「いかに上手に演奏するか、いかに正しく解釈するか」ということだったように思う。受験科目とあまり変わらない。それに比べると、そのイギリスの先生は、まず「歌うことの楽しさ」を知ってもらおうとする。音程がどうとかは、本気でどうでも良さそうだ。もちろん、上手な人たちを教える場合は別の指導法を取るのだろうが。クラシックの「ク」も知らないような生徒が、音楽という世界の入り口に立つ。新しい世界と出会うということは、こんなにもきらきらして感動的な出来事なのだと、伝わってくる。

今夜は「ついにロイヤル・アルバート・ホール出演!」編だったので楽しみにしていたのだが、目が覚めたらもう、ラスト数分しか残っていなかった。残念。でも、クリスマスに音楽があるのはいいことだ。

夜はお楽しみ。全日本フィギュア男子シングル。織田信成の『仮面舞踏会』、真央ちゃんのプログラムと比べてもいけるよね。決してハンサムとはいえない、ちょっと異形系(悪口を言ってるんじゃありません)の織田君にも、実はよく似合う。しかし、若手がそれなりに自分の成長に手ごたえを感じていたとしても、こういう演技を見せられると「なんだ、俺なんかまだ全然ダメじゃん」と思うでしょうね。泣き虫織田君も、いつの間にか追われる先輩の身。高橋大輔不在の今シーズン、ちゃんと若手のお手本を引き受けているあたり、成長したんだね。

女子のエントリー選手をチェックしていて、太田由希奈ちゃんの引退を知る。もう、あの貴族的なまでに優雅な演技を見られないのね。でも、あなたの演技を忘れない。