さらば只見線

年末だめだめデイズ継続中。といってもまだ三日だけど。多分年内限定ということで済ませておくべき用事を、結局片付けられなかった。一応、年明けにもう一度行ってみるけど、もう一度金と手間を費やすことになりそう。「ちょっと気まずい事態」は、他の誰にも迷惑がかからないとなると、つい回避してしまう。やっぱり基本性能は変わってないんだなあ。なんのために旅行を取りやめたやら。

おうちにいるならいるで、瑛太の回の「トップランナー」見ればよかったなあ。うっかりしてた。ネットで申し込んだお歳暮も、到着は来年に。年賀状は買えなかった。年賀状のリサーチもできなかった。今から出ればいろいろ間に合うんだけど、7時からスケートが...。年末のフィギュアスケート全日本選手権と、28日の図書館の最終日に合わせて本を何冊か片付けることと、地区の会報誌の配布先名簿のアップデートと印刷作業と。この3点が片付かないと、年賀状モードに入れないんだよなあ、毎年。

今年の年始は、暦上も休みが短いし、宿題も抱えているし、ということで、東京に足止めされる前に、実は今日と明日で小旅行に出かけようと思っていた。行き先は福島の柳津町というところ。この町の圓蔵寺にある「福満虚空蔵尊」は、日本三大虚空蔵尊として有名である。星と鉱山に縁の深い虚空蔵菩薩は、寺と鉱山の好きな私の格好の旅のターゲットで、しかも、東海村の虚空蔵尊が東海原子力発電所を従えているのと同様、柳津には、地熱発電所としては日本で最大の、柳津西山地熱発電所http://www.tohoku-epco.co.jp/pr/yanaidunisiyama.htm)があるのだ。ダムと発電所も大好きなので、願ったりかなったりである。私にとっては、地図から特別な光が出ているような場所なのである。

ところがその発電所、ホームページを確認すると「年末〜3月31日まで閉館」とある。年末年始のごたごたが終わってからのんびり出かけようと思っていた私は慌てた。年末最後の営業は、暦どおりというか、12月26日、つまり今日である。雪道でレンタカーなんてもっての他なので、列車とバスで移動となるのだが、これまた私の行きたいような場所にありがちな、運行本数一日数本地帯。青春18きっぷをフルに利用しつつ、タクシー利用を最小限にしたければ、26日の朝には会津若松には到着していなくてはならない。幸い、会津バスが、会津若松まで前日割引で2500円という格安の切符を発売している。木曜日に取材が入ったとしても、木曜夜の夜行バスの出発時間までには乗れそうであった。結局取材はなくなったが、前日割引分は完売、正規のバス代は4800円かかり、何より2晩椅子に腰掛けて眠ったせいで、脚はぱんぱんにむくんでいる。去年も似たよーな経過を経て香港に出かけ、旅行は楽しかったけど、体にはいろいろ異常が出て大変だったんだよなー。しかも今回は、夜行バスで早朝に到着、1時間半時間をつぶして電車に乗って、もしかしたら寒風ふきすさぶ中、雪道を歩かんばならんのである。取材があれば、まだしもハイテンションを保てたのかもしれないが、中途半端に弛緩していて、旅行支度を整える気力が残っていない感じ。

それでも、雪の中の想像上の発電所は、なんだかこの世のものではないような存在感で私においでおいでをするし、柳津から新潟の小出まで乗ろうとしていた只見線が、これまたそそるのである。一面の雪景色。とことこ走る列車と無人駅。地元の人たちのしゃべる方言の響き。いかにも都会者風に、お澄ましして本なぞ読んでいる私。うっとりである。未練たらしく、26日朝一番のバスを予約してみるが、会津若松到着は12時5分。列車は良い時間帯のものがなく、バスで柳津に向かうためには、12時ちょうどの坂下営業所行きに乗る必要がある。これまで乗った高速バスは、定時より早く到着することもあったような気がする、と思って会津バスに問い合わせると、しかし残念なことに、「この時期はですねえ、早めに到着することはないと思いますねえ」との返事。事実上、今回の旅行は無くなったのだった。

ちなみに、今日の北海道と東北は大荒れのようである。会津地方は加えて強風。遭難しなくて良かった、のかな。

飯島愛の自殺?のニュースを見ながら、ちょっと可哀想に思う。頭のよさそうな、感じのよさそうな女性だったから。私の中では、鈴木紗理奈とか木下優樹菜とかと同じライン上で好きなタイプだったけど、見かけ以上に神経の細い人だったんだなあ。駆け込み先が警察とは。短絡的な救いのほうにも行けなかったのか。

まだ見なかった場所の残像がちらつき、それがせわしない気持ちを落ち着かせてもくれる。来年の12月にはきっと。