ソニー・マガジンズの翻訳物、断続的にチェック中

・『文学刑事サーズデイ・ネクスト2 さらば、大鴉ジャスパー・フォード著/田村源二訳、景山徹(イラストレーション)、鈴木成一デザイン室(ブックデザイン)、ソニー・マガジンズ、09/2004

文学作品の贋作、偽作、盗品不法売買が国をあげての大事件。しかも、文学作品の登場人物がその作品を実際に生きているブックワールドなんて世界が存在してて...。1985年のイギリス(ただしパラレルワールド)で、女文学刑事サーズデイ・ネクストは、悪党や恋人を追ってあちらとこちらを行ったり来たり。

結構な分量があるんですが、何せ楽しい。ディケンズシェイクスピアの作中人物と言われても「あ、あの人ね」なんてわけには行かないけど、『アリス』のチェシャ猫、『審判』の裁判官なんかがその辺でしゃべっていて、おもちゃ箱みたい。

おもちゃ箱を連想するのは、表紙のイラストの力も大。英文版のペーパーバックより、ずっと感じが出てると思う(個人的には掃除機抱えたSO-17(吸血鬼・狼人間処分局)のスパイクが好き)。

去年の『航路』以来、ソニー・マガジンズのシリーズ物をちょくちょく読んでいる気がする。と言ってもあとは『ゴシップガール』のシリーズだけなんだけど。勢いを感じます。