「片思ってしまう」

体調がよくなってきたので、急に気が大きくなって長嶋有のエッセイ集を読んでいる。もう一回外に出なきゃならないのに。

「片思ってしまう」というタイトルに、昨日「勘違う方が不思議だ」と書こうとして「勘違いする方が不思議だ」に直した自分が優柔不断であると後悔する。いや、「片思ってしまう」の、それでなきゃ表せないニュアンスとは別物だけどさ。

わざとらしくなくて、笑えるところがたくさんある。私は、読みながらかかと笑う(あら、漢字が出てこない。意味もよくわかんないけど)のも、つりこまれるように微笑むのも好きだ。

それとは別に、日常会話に唐突にフランス語の単語が混じるような、ハハを「おかあさま」と呼ぶ少年とか、木洩れ日がどうしたとか、異国の船とか、ギリシャ・ローマへの憧憬とか、デルフトの陶片とか、そういったものでできた話も好きだ。

たまに、呆れて大笑いしつつ、そこはかとない品のよさも感じられる、みたいな作家さんもいる。あのルックスだしなあ。塩いりコーヒーの日記あったなあ。猫ラーメンってどこにあるの?