才能とか

のだめカンタービレ」をこの間から見ながら気になっていたのは、主役級のピアノやヴァイオリンを実際に弾いているのは誰か、ということと、楽器を演奏しているシーンの振り付け指導はどういう人がやっているのか、ということ。結構それらしく見えるよね。公式HPには、こういう情報載せないんだなあ。

あー、でも、好きな人とピアノの連弾。羨ましい。私だって「先輩、好きです」と後ろからかじりついて、ぐゎし、と袖を握り締め、ついでにそのまま引き倒すくらいのことをしてみたかった。でも「そんなに才能あるのになぜ」と目に留まる/引き止められるような才能が無かったんだもの。同等の才能がなければ、一緒にいるなんてできないよ*1(あらちょっと火がついたかも)。

えーと、唐突ですが、以下『これからはあるくのだ (文春文庫)』より。単行本と文庫本の表紙の写真、実は違ってたんですね。

アイス・スケートでもいいし、麻雀でもいい。なにか新しいことをはじめるときに、かならず思うことがある。今まで知らずに過ごしてきたけれど、じつは私にはその道の隠された才能があって、これをきっかけに一気に開花してしまったらどうしよう、ということだ。
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私はもう才能なんて言葉を信じてはいない。ものごとに長けるということは、好きか、嫌いか、そのどちらかしかない。

西尾維新の『×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』も読んだ。えーと、これノベライズなのよね?あまりにも維新が書きそうな内容なので(維新版京極式憑き物落とし)、途中まですっかり忘れてた。主人公がうだうだしてるのも、いーたんと一緒だし(そんなにSのねーちゃんが好きか!)。

でも、西尾維新はずるいよ。うだうだしてて、「自分には何の取り柄もないんだ」と思ってて、実際たいした取り柄もありませんでした、ってのが普通の人生なのに、西尾維新の主人公は、なんだかんだ言って、結局才能あるんだもん。結局、図々しいのだめと同じサイドの人間なんだよ。

いや、あたしは「幸福を放棄する代わりにプレッシャーから逃げる」だけならともかく、「プレッシャーと向き合っても大した結果が出ないんじゃないか」と疑ってるようなていたらくですけど、それだからといって似たようなだめ人間のお話を読みたいとは思いません。ついでに「身の丈にあった小さな幸福を手に入れました」っていう話も、心が若々しいので許せません。それはまあ、やっぱり、もうしばらく(保留の棚へ)。

*1:美貌が才能の替わりになるということはあるかもしれませんが。