frenchballoon2006-12-17


苦労して並んで買った「Krispy Kreme」のドーナツの袋が見当たらないよ。地下鉄に乗ったときに持っていたのは確かだから、置いてきたとしたら、地下鉄の座席か、セブンイレブンか、不動尊の境内かの三択。いくら袋をたくさん抱えていたとはいえ、あのサイズのものを置き忘れるとは不思議な話。シグマリオンを紛失した(その後遺失物保管所に取りに行った)ときもそうだったけど、確たる大きさの物体がどうやって視界と意識から外れるのか、そのメカニズムを知りたいところだ。

昨日もお昼に3時間寝ただけ、今日もお昼に4時間寝て図書館に駆け込み、その後、紀伊国屋に本を取りに行くついでに、開店したばかりだというドーナツ屋をひやかすのに30分もあれば大丈夫と踏んで、新宿に移動。ところがドーナツ屋に着いてみると、店の前は九十九折の行列で、入場制限まで行われている模様。時期も時間も悪かったらしい。かといって次に新宿に来るのがいつになるかわからないので、ここは並んでおくことにする。暖かい夜だったし。結局入店できたのは30分後だった。入店が近くなると、ドーナツが一つサービスされる。ミスドのより若干美味にも感じるが、作り立てで温かいのが勝因という気も。癖になるというほどの吸引力はないかも。あー!他の買った分も食べてみたかった。

紀伊国屋で本を受け取り、その他雑用を済ませたのは、もう7時を若干回った時刻。これから移動したのではグランプリ・シリーズを見られないので、そこら辺の電器屋で立ち見することに決める。「2時間立ちっ放しはちょっとしんどいな」と心配しながら、紀伊国屋の近所のビックカメラにとりあえず入った。テレビ売り場に上がってテレ朝を流しているテレビを探し、滑る直前と思われる織田信成を画面に発見。しかし音声が消えているので、近くの店員さんに操作を頼む。と、リモコンを操作していた店員さんが、間違えて別の番組に切り替えてしまい、しかもそこからテレビ朝日に戻せない。あーでもない、こーでもない、とやっている間にかなりの時間が経過してしまった。やっとチャンネル選択の画面になって、さあこれから見るぞ、という態勢になったとき、どこからともなく別の店員がやってきて言うことには、「お客様、スケートは困ります。他のお客様に迷惑になります」と、なんだかとっても威圧的な態度である。「え、今、他にお客さんいないじゃないですか」「ダメです」「だって、元々このテレビ、テレ朝を流してたじゃないですか」「ダメです」と、何を言っても「ダメです」の一点張り。いるのよね、他人の自由を制限することに存在意義を賭けるタイプ。

野球やらサッカーやらで、電器店のテレビの前で人だかりができているのはよく見ることなので(そして、スケートに関してはたまにお世話になるので)、まさか阻止されるとは思わなかった。しかも「今現在存在していない他のお客さん」を盾に取られたのが業腹で、「信じらんない」と下品にも捨て台詞を残して退散。「どうせ織田君は見損ねちゃったし」と思いながら「でも、高橋大輔は見たいな」と、懲りずに近くのさくらやに移動。こちらではすんなり許可が下りて、高橋大輔ジュベールの演技は見たものの、高橋君の苦痛に満ちた表情を見慣れない大画面で直視させられて、なんだかいたたまれなくなってしまった。

結局女子シングルは、夜のニュース番組でダイジェストで見ました。ネガティブなこと、他人への非難を口にしないところが実はライコネンと似ている浅田真央が「緊張した」と言っていたのには、同情を禁じ得なかった。途轍もないプレッシャーがかかっていたんだろうなあ。高橋、安藤の不調に影響を受けていたとすると、別の意味で少し心配。「日本チーム」の一員としての意識なんて、要らないと思うから。

この間のNHK杯は、中野を除いた日本勢6人が、それぞれベストの出来を競うという見応えのある試合だった。ああいうのは珍しいんだと、改めて思う。フィギュアスケートは、基本的には今回のような、「ミスの数を競う」勝負が多い。その中で女子の争いに勝ったキム・ヨナちゃん。彼女も、いつでも完璧というわけではないので、運が味方したということなのだろう。勝った彼女も、勝利を「必然」とは思っていないと思う。しかし、負けた側にとっては嫌だろうなあ。「たまたま」で片付けるには、キム・ヨナの勝ち星が多すぎる。同じアジアの宿命のライバル。まあドラマチックでいいか。そして、この間も書いたけど、「宿命のライバル」を持てるというのは、不幸ではなく幸福なのだ。がんばれ、真央ちゃん。「自分が天才じゃないかもしれない」なんて、考えなくても大丈夫だよ。きっと。