静岡から糸魚川まで(一日目その1)

きっかけは、この間読んだ『ひまわりっ ~健一レジェンド~(3) (モーニング KC)』。4巻を購入したら、なぜか3巻を読み落としていたことに気づき今頃読んでみたのだが、大学の探検部に入っている主人公の弟が口にした「来月は太平洋の水を日本海に注ぐ旅ってのをやるとよ 静岡で汲んでフォッサマグナ歩いて新潟で放水」という言葉に激しく反応。「これだよ! 初めての泊りがけドライブ旅行になんてぴったりなんだ!」と、その場でプランを立て始めた。もともと、高校時代は大の地学(教師)好き。欠席の多かった高校時代、地学の授業だけは皆勤だったくらい。車の免許を取って日が浅いので、元々の興味とドライブがなかなか脳の中で連動しない分気づくのは遅れたけど、遅かれ早かれ、いつかは試したであろうコースになる。

まずはコースの設定から。ラテン語で「大きな溝」を意味する「フォッサマグナ」は、線ではなくて面なので、面の西縁を走る「糸魚川・静岡構造線」上を、静岡側から走ることにする。「静岡→山梨→長野→新潟」の順。ところが「構造線のあるところに道あり」と信じていた私にとって意外な事実が判明。糸魚川諏訪湖小淵沢のあたりまでは、確かに構造線と道が重なっているのだが、静岡寄りになると、構造線がどこを走っているのか、きちんとはわかっていないらしいのだ。岡谷〜小淵沢以南は「武川から〜夜叉神峠付近〜早川〜安倍川をとおって静岡市へつづき」、「静岡市付近では、安倍川沿い〜高草山〜焼津の線と、竜爪山地稜線付近〜静岡市安倍川河口の線と、2つの考えがあります」とのこと(http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex03.htm)。とりあえずは有力そうな、安倍川河口説に沿ってルートを考える。

南アルプスをはさんで、人の作った道としては、東側に岡谷〜小淵沢〜韮崎〜身延〜清水に至る甲州街道+富士川街道、西側に岡谷〜茅野〜高遠〜大鹿〜水窪〜浜松に至る伊那街道+秋葉街道がある。しかし糸静構造線は、富士川街道よりの山中を走っているので、道のあるところは道なりに、なければ妥協して近くのルートを採るしかない。出発は静岡の安倍川河口。安倍川を遡って、梅ケ島温泉まで。梅ケ島温泉からは梅ケ島林道〜安倍峠を経由して、一旦身延に出る。富士川街道沿いにちょっと北上して以前登った七面山を迂回し、早川を遡って奈良田まで。本当なら南アルプス林道沿いに広河原〜夜叉神峠〜芦安と回りたいのだが、マイカー規制で奈良田以降は通行不可。奈良田からは丸山林道を下って増穂町に出ることに。

しかし、ここの林道って、車通れるのかしら。ということでネットで調べてみると、一応、ドライブしましたという日記はある。でも中には「今日から工事で通行止めでした」なんて人も。公式情報はというと、こんなページが。

通行時間に制限はあるものの、どうやら通行自体に問題はないらしい。工事があったとしても、突発的な土砂崩れでもない限りは、「通行止め」の看板くらい出るだろう。雨がひどいと、どうかな。増穂町からは、素直に富士川街道を北上して韮崎〜小淵沢諏訪湖〜松本〜終点糸魚川へ。糸魚川から東京への帰路は未定。

次は日程である。東京〜静岡、糸魚川〜東京間の移動もあるので、2泊3日は必要。7月の半ば以降は人も増えるし予定もあるので、思い切って7月の第2週に。できれば金曜に出たいのは、終点の糸魚川到着が恐らく3日目で、フォッサマグナミュージアムが月曜は休館だから。

問題がもう一つ。このところ夜型にまた戻っていて、明け方寝て昼に起きる生活。そして木曜夜の段階で、金曜はちょっとした仕事が残ることがわかる。雑用少々。残るは天気。金曜は問題なく晴れるらしい。土日は雨という予報。

金曜は結局お昼くらいに起き出して、情報を確認してみたところ、土曜日は「曇り」の予報に変わっている。夕方まで用事はあるけれども、決行することに。レンタカーを予約し、今日の宿は結局、一番安かった静岡の清水に取る。梅ケ島温泉までで移動して、素泊まりで泊まることも考えたが、これは予約を断られた(実際このルートを走ってみて、暗くなってからこの道を走るのは厳しいとわかった)。日曜の宿は、当日になってみないとわからない。

今回は車での移動なので、ノートPCを含めて荷物は大目。送らなければならない小包を1つ余計に抱えて、よろよろしながら2時半に家を出た。