富士山登山(旅行編1日目その1:東京から須走口五合目まで)

とうとう富士登山当日。8時に起きて仕事をしていたら、お昼頃どうにも眠くなったので、体力温存のために2時間お昼寝。夕方までもう一仕事。「ナチュラム」(http://www.naturum.co.jp/)に頼んだレインスーツがなかなか届かないので、佐川急便に催促。これが来ないと、出発するわけにいかないのだ。

お盆休み前の最後のメールを仕事先に送付して、18:30に自宅を出る。タクシーで有楽町のMMCレンタカーへ。「レディース平日プラン」(http://www.mitsubishi.0123.ne.jp/)を利用すると35%オフになるというので、一番安い「i」を申し込んである。48時間で、免責保証をつけて1万1千円強。あと2千円追加すると1300ccのコルトが借りられるので、予約の際「結構高いところまで登るんだけど、軽で大丈夫でしょうか?」とオペレータのお姉さんに確認したところ、「お客様、「i」を普通の軽自動車だと思ってもらっては困ります。ターボチャージャーもついてますし、高度2000メーターくらい「i」で十分です!」と太鼓判を押される。「営業の人ならともかく、予約担当者がここまで言うとはすごいなあ」と感心して、今回は「i」で行くことにした。

新国際ビルに、営業時間終了間際の19:00ぎりぎりに到着。契約を済ませて駐車場に出ていくと、そこには真っ赤な「i」が一台。かわいいかどうかということよりも、「これは傷がついたら一発でわかるな」と思ってしまうのは、前回のドライブの後遺症である。例によって、車内で一通りの操作を確認。ネットの「NAVITIME」には登録されていた「須走口」が、このカーナビには入っていない。仕方なく、須走の陸上自衛隊を目的地に設定して、走り出すことにする。時刻は19:30。

いつも国会図書館に向かうときに通る道を、自分で運転している不思議。都心からの首都高、初チャレンジ。霞ヶ関ランプから入る。と、いきなりののろのろ運転。あまり一般道と変わらない車の列に、緊張感はすっかり解ける。次の分岐で違う方向に行ってしまわないよう、車線だけはとりあえず注意して、たらたら前の車についていく。渋滞が解けたのは池尻だったか用賀だったか、とにかく都内ではあった。退屈な東名を、前回に比べればかなりリラックスして走っていく。「i」は確かに、加速も悪くない。120キロ走行での安定性は、前回のSWIFTと変わらない。むしろこちらの方が、乗り心地はいいかも。

今回からあまり、スピードメーターを見ないことにした。これまでは、100キロを超えると、急なカーブで曲がれないかも、という不安からしょっちゅうスピードを気にしていたけれど、車が今、制御できるスピードかどうかということは、気をつけていれば体の側でわかるし、「気がつけば150キロ」ということは、いくらなんでも私の場合あり得ない。「今どのくらいの速度で走っている」ということが、だんだん体でもわかってきたということかも(今頃ですが)。

頭痛も肩こりもなく、無事に御殿場インターを下りる。なんとなく方向感覚があるのは、この道が富士スピードウェイに続く道だから。そういえば、富士山の須走口自体が、富士スピードウェイと同じ、駿東郡小山町に属しているのだ。富士山からサーキットが見えるのかなあ、とちらっと考える。

途中、飲み物とおにぎりを補充するために、セブンイレブンに寄る。ささやかな登山コーナーがあって、軍手も置いていたので、それも買う。日焼け止めも買い足す。現金もちょっと補充する。有難いことに「バリスターズカフェ」という、セルフのコーヒーマシンがあって、ここでカプチーノを購入。美味しい。生き返る。

時刻は21:15。いよいよ登山口へ向かう。あ、でも、道がよくわからないのだった。とりあえず「須走」の辺りで138号線を下りて、自力で登山口までの道路を探してみるも、見つけきれず。結局、自衛隊の前に出たのをきっかけに、隊員のお兄さんに道を尋ねることに。とてもハンサムなお兄さんに丁寧に道を教えていただき、ほどなく「ふじあざみライン」に入る。

今日は誰も登山者はいないのかな、と思うくらい、車が通らない。車の照明の届く範囲しか明るくないので、自分が半分まぶたを閉じているのかと錯覚しそう。こんな時間に下りてゆく対向車2台。しかし、思いがけないところで出会いは待っていた。夜の22:00ジャスト。つけっぱなしのラジオから聞こえてきたのは、なんと金剛地武志の声。あー、人っ子一人いない夜の富士登山道で、この人の声を聞くことになるとは! 内容も覚えています。「朝青龍の精神鑑定をした医者は、実は早漏の専門医だった。朝青龍の悩みは、実は「ソレ」だったのか!」という内容だった。自然の懐に抱かれて聞くことではない。もう!金剛地ったら、私の神聖な夜を台無しにしてくれて!と脱力したのは言うまでもない。

「あ、人が歩いてる」と思ったら、そこが須走口五合目だった。「総合案内所」の建物の前で道が分岐していて、どうやら駐車場は、左手の道路を上がっていったところらしい。ちょっと上ったところの「第2駐車場」にもまだ十分余裕があるようだったが、1台でも車の少ないところで駐車したいので、「第3駐車場」まで上がってみる。真ん中に固まった駐車スペースではなく、敷地の隅に止めてある車が目に入ったので、その真横に止めさせてもらった。

ドアを開けると、少し、寒い。でも、長袖を着るほどのことではない。まして登りだし。「高山病を避けたければ、五合目から七合目の間で、ゆっくり時間をかけるべし」という教えを守って、1時間ほどだらだらすることにする。昨日コンビニで買ったまま冷蔵庫に入れておいたお蕎麦を食べようと思ったら、昨日の夜で賞味期限が切れていることに気づく。いつもなら食べるところだが、今はリスクは避けたい。結局、先ほどコンビニで買ったおにぎりを、一つだけ食べることにする。気分がハイなので、食欲はほとんどない。

昨日のF1の結果でも書くつもりが、ウィルコムが通じなくて、PCの作業はできない。隣の車の一家が仮眠に入った横で、荷物を詰め替えたり、登山靴に履き替えたり。意を決して車を出たのが23:00過ぎ。総合案内所脇のトイレに立ち寄り(トイレは水洗、水道もあった)、「富士山須走口五合目」の看板の前で写真を撮っていたら、元気な若者の集団がやってきた。「すみませーん。写真撮っていただけますか」と一人がカメラを差し出すと、一枚撮るごとに、次のカメラがやってくる。賑やかな登山の始まりになった。