午後から図書館→根津神社→『金毘羅宮 書院の美』展@東京藝術大学大学美術館(http://www.asahi.com/konpira/index.html)。言問通りを上がって芸大の敷地に近づくにつれ、サンバの音が聞こえてくる。どうやら学園祭らしい。「賑わってるなあ。すごい行列」と思ったら、その行列は美術館の入場待ちをする人たちだった。「ただいま40分待ち」というプラカードを恨めしく横目に見ながら、列の最後尾へ。やっぱり昨日来ておくべきだったなあ。

あまり広くない館内で、混雑の中で襖絵その他を見た。『林檎の礼拝堂 La chapelle des pommiers』で有名な田窪恭治が『表現の現場―マチス、北斎、そしてタクボ (講談社現代新書)』という本の中で、金毘羅宮宮司と同級生になった縁で宮の中に通してもらい、そこで見た若冲に非常な感銘を受けた、と書いていたのを読んで以来、「いつか見たいものだ」と思っていたので、予想外に早く見る機会が訪れてラッキー。

ただし、件の若冲は、細部をよく見られるように、という配慮なのか、書院の四方のうち、三方を原寸で再構成し、残り一方から覗き込むという形ではなく、部屋の中を通路が突っ切る形になっていたため、ちょっと怖さが薄れている気がした。いや、襖を締め切って、この絵に四方を取り囲まれたら、あまりに過剰で怖いと思う。

若冲にはもともと期待していたので、それはそれで良かったが、今回は初めて「岸岱」という人を知って、好きになった。「群蝶図」と「水辺柳樹白鷺図」、一瞬、周りの人波を忘れて、自分がどこにいるかわからなくなるようなインパクトだった。

円山応挙の「遊虎図」。かわいいの一言。昔の虎の絵は、描いた人が誰であっても大体かわいい。朝鮮の民画とかに出てくるやつも。なんで虎ばっかりで、猫はあんまり出てこないのか不思議だけど。

あと、邨田丹陵という人の「富士山図」。白一色。これまで見た富士山の中で一番優雅。このサイズは羨ましい。襖ならでは。

図録を無事入手。現地でいつか、もう一度再会できるといいなあ。

見終わった後は、学園祭の屋台を見て回って(各種法被がなかなかかっこいい)、上野公園を抜けて、散歩しながら帰る。御徒町のOD-BOXで、サーモスの水筒と熊よけの鈴購入。そのまま秋葉原まで歩いて、ヨドバシカメラでプリンタのチェック。そのまま神田まで歩いて、今日の夕ご飯は、蕎麦屋の「眠庵」(http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13020841/)。

裏通りのさらに路地の奥に進むと、看板も何もない古い民家。すりガラスのはまった木の扉を開けると、本当に小さな、ダイニングスペースが現れる。テーブル3つに、カウンター4席。テーブルを1つ残して残りは満席。7人のお客が静かに飲み食いしている。愛想良くテーブルを進められ、靴を脱いで上がり込む。人のうちにお邪魔するみたい。蕎麦は「もり」と「二種もり」と「そばきり」のみ。日本酒たくさん。つまみ少々。エビスの黒と自家製豆腐、それから「もり」を注文。山形の蕎麦を食べられるということで来てみたのだが、ここは、その日によって産地の違う蕎麦を出すらしい。今日は茨城産とのことだった。

美味しかった。豆腐も蕎麦も。ビールまで美味しく感じるくらい。空間がまた、異様に落ち着くのだ。10人のお客で、何かとても良い物を独占している感じで。放っとくと、酒だのつまみだのをもう一品、また一品と際限なく注文してしまいそうだ。何度か新しいお客さんがやって来ては「満員だ。残念」と引き返していくので、再訪を心に誓ってお勘定。店主も店員も、若いお兄さんだった。

修理に出すプリンタの代替品が届く予定だったので、帰りは電車で帰った。

いいニュースは、2009年以降のF1日本GPが、鈴鹿と富士の交互開催になったとのこと。思ったより復活速かったですね。悪いニュースは、ライコネンモンツァフリー走行でクラッシュ! こりゃ、今年はだめだなあ。というか、フェラーリでの未来は大丈夫か?

勝てないから口に出す人はあまりいないけど、彼が圧倒的な速さで勝つことをみんなが待っているはずなのになあ。

久しぶりに民放に合わせたら、テレビの映りの不調はNHKのみだということがわかった。アンテナの問題? 近所の人に聞いてみなくては。