F1ブラジルGP決勝。ライコネン、ワールドチャンピオン、おめでとう。

キミ、あんたって実は凄い奴だったのねえ。5年ファンをやっていて、あまりにも不運が多すぎて、「多くは望まない」ことに慣れちゃってた。でも、幾つものやり切れないレースは、今日勝つためにあったんだなあ。F1史上最も苛烈な一年と、最も劇的な最終戦で名を残すための準備期間だったんだね。

今日のウィナーは特別。特別な速さを持つ男のための、特別の勝利。今日だけはもう、世界に望むことは何もない。

マッサはさすがに浮かない顔だったけど、アロンソもハミルトンも、結構さばさばした笑顔だった。やることやって、レースはもう終わり。心はもう来年に飛んでいるのかも。でも、ハミルトンにポイントで負けていたら、アロンソはあんな穏やかな様子じゃいられなかったでしょうね。「ハミルトンショック」もなんとか乗り越えたことだろうし、来年もマクラーレンで走ってくれないかな。勝てない車に乗っているアロンソってのも、F1の楽しみを削ぐからさ。

どたばたしつつの中嶋10位は立派だったのでは。ロズベルクの4位は奮起の結果か。ヴェッテルがいつのまにかリタイアしてたのはなんだったんだろう。

表彰台のライコネンは、大騒ぎするでもなく、本当にすがすがしい穏やかな笑顔だった。ここ数戦、急に顔が大人びて見えるようになったような気はしてた。マクラーレン時代、リタイアした後、パドックで泣きそうにしてた男の子は、もういないんだなあ。これからは、ハッキネンみたいな北欧のおじさんになっていくのね。そして、黒い目黒い髪の若者が好きな私が唯一許せる、金髪碧眼のおじさんになるのね。

F12007年シーズンも終了。おめでとう、「フェラーリのエース」。よくない噂や評価、不本意なレース結果を、一つ一つひっくり返してきたあなたの地味な努力を、忘れない。