香港・マカオ旅行一日目(その3)香港島に降り立つ。

24:30にMTRの「Hong Kong」駅到着。ひっそりした構内に人通りはまばらで、いまいち方向がわからない。翌日になってから、このMTRの駅が「IFC(国際金融中心)」の真下に位置していること、前回の旅行でも、このあたりは何度か歩いたことを思い出したが、夜中のぼんやりした頭では、どちらに進んだものやらさっぱり。海はどっちだろう? ホテルは海を背にして丘の中腹に位置する。Hillside Escalatorで上れば、直線距離はたいしたことはないはず。歩こう。

運良くそのエスカレーターにたどり着いたのは、3年前の記憶がぼんやり残っていたせいもあるのだろう。ただし、本日の運行時間はもう終わっていて(12:00で終了)、単なる階段と化したエスカレーターを、比較的軽い荷物に感謝しつつ額に汗して延々と上る。Hong Kong Stationのあたりは誰もいなかったのに、一つ通りを跨ぐたびに人通りが増え、いつのまにか辺りは週末の人ごみと喧騒に満ちている。「I love SOHO」の文字。なんだか今流行りの地域(と聞いたのはもしかして大昔だっただろうか)は、この辺りのことだったか。

洋物の料理屋と白人がたくさん。大騒ぎ。うーん、楽しそうだけど無縁な感じ。できのいい外資の人たちも、仕事以外で異国に流れてきている人たちも、あるいは単なる旅行者も、一くくりに「大きな人たち」に見える。淡々と仕事をしているセブンイレブンの店員や、ごみを集めているアジア系の人たちに混ざって、私の存在感は空気のようだ。「固まって騒いでいる人たち」がもともと苦手な上に、「週末繰り出す」習慣とも無縁なのだから、疎外感もまあ当然か。とはいえ、まあこれはこれで、風景としてはエキゾチック。いや実際のところは、わくわくする。お祭りなんだもん。前回の旅行で、空港からバスに乗り、やっぱり夜中に、尖沙咀の街中に降り立ったときの衝撃。「今、夜中だよ。なんで人がこんなにいるの? なんでこんなにやかましいの? この極彩色のネオンは何事?」 あれに比べれば静かなものだけどさ。人が歓迎してくれなくても、香港の街は、細胞に入り込んできて、開放する。だから好きだ。

エスカレーターで隣り合ったお姉さんに念のため道を聞き(ニューヨークの人。現在はこっちで働いていて、この辺りに住んでいる)、無事に「Bishop Lei」に到着。この辺りの標高はどれくらい? カロリー消費量が知りたいな。予約通りに山側の部屋を割り当てられる。窓の向こうは、通りを隔てて似たような高層マンション。部屋はツインで、さほど狭さは感じない。バスタブなしのシャワーのみ。こざっぱり。こじんまり。居心地はよさそうだ。無線LANにうまく接続できなくて、ロビーに下りていって、みんなであれやこれや試してみる。つながらなかったのは、無線LANの切り替えスイッチがオフになったままだったからでした。そういえば、モデムなしの無線LANを使ってみるのは、もしかしてこれが初めてだっけ? 

せっかくなので、夜の街に取って返してみると、賑わいのピークはすでに峠を越している。多分30分くらいの差で、今夜のちょっと一杯を逃した感じ。しぶとく騒いでいる一角を写真に収めて、GX100の色彩に、かなりの手応えを感じる。このカメラは、愛機になるかもしれない。ちょっと心配なのは、ボタンの感触がFZ7に比べてちょっとふにふにしていることと、ピントを合わせるときの駆動がいかにも繊細なこと。私、物使い荒いんだよなあ。どこにでも連れて行くし、厚着させないし。うちで丈夫な子に育ってね。

「帰りは怖い」ことをわかっていても、階段を降りていくのは簡単なので、つい麓まで降りてしまう。ついつい寄り道が過ぎて、ホテルに帰ってきたのは午前3:00過ぎ。ちょっとお腹が空いてるかなあ。感心なことに夜通しルームサービスが営業中。でも、写真の出来を見たくてPCに落として日記を書いている間に、眠さが勝ってどうでもよくなってしまった。明日はちょっと寝坊することにしよう。幸いチェックアウトは12:00だ。シャワーを浴びてベッドに滑り込む。一日目、無事終了。(12/05更新)