せっかく2時間も時間ができたので、コーヒーにサンドイッチで朝ごはんでも、と思って喫茶コーナーを探してみるも、なぜか、搭乗ゲート付近の喫茶コーナーでは、ラーメンだのカレーだのしか扱っていない。寝不足の朝に食するにはヘビーすぎる。売店で売っている単品のお弁当やサンドイッチは、いまいちまずそうでしかも高い。こんなことなら、ゲートに入場する前にどこかに入っとけばよかったかな。でも、混んでいて眺めのない空間って、好きじゃないのだ。結局おにぎりを1つ買って、ベンチで食べる。無線LANはどこででも使えるというわけではないらしく、ウィルコムの256で我慢。仕事にはならない。

1便欠航になって、2便分の乗客が乗っている(可能性もある)というのに、JL1683便の機内はがら空き。時間ぎりぎりに機内に駆け込んでくる不心得者もおらず、定刻に離陸、9時20分にはすんなり岡山空港に到着する。空いた飛行機に乗るたびに「災害が起こる場所では、なぜかその日に限って、人が少ない」という逸話を思い起こすのだが、今回もその心配は杞憂であった。

レースのために飛行機に乗るのは、今年は今回の岡山が最後(鈴鹿や仙台は車が出るので)。前回の熊本行きではマイレージを使用したが、今回は「特割1」の使用で往復2万8千円しかかからないので、チケットを購入。往路復路それぞれ200マイルずつのサービスマイル付。岡山は、イメージとしては実際の広島のあるあたりにあるような感じなのだが、実は兵庫の隣で、近畿の親戚といえないこともない。つまり近い。過去2度ほど足を踏み入れて、それぞれ1泊している割に、「こういう場所である」という印象の希薄な場所ではある。

早々にマツダレンタカーのカウンターに出向いて、車で3分ほどのオフィスに移動。今回は、トクーレンタカー(http://www2.tocoo.jp/?file=rentcar/login)経由で、2日間8,500円で予約している(免責補償2日分含む)。通常はこの値段で行くのだが、岡山ではNOC補償もつけられるというので、つけられる補償は全てつけるということで、2,100円プラス。合計10,600円。岡山到着が遅れるということで、羽田から電話をかけて、高速経由で岡山国際サーキットまでのカーナビをセッティングしてもらっていたが、「高速を使っても、距離が10キロ延びる分、下道を行くのとさほど時間は変わりませんよ。下道でも1時間ちょっとあれば余裕で着きます」と係のお兄さんに説明してもらって、結局下道を通って行くことにする。初心者マークを付けてもらったり、「エンジンまだ冷えてます」の表示の意味がわからなかったり、という面倒な客に嫌な顔もせず、すこぶる感じのよい対応をしていただきました。どうもありがとう。

車は新型のデミオ。ゆるい上りを走り出したとたんに「お、これはいいかも」と思う。アクセルの利きがいい。きびきび動く。非力さを補う快適な挙動だ。以前旧型のデミオに乗ったときはちょっともっさりしていたから、整備の違いもあるのかな。進路に車の影なし。木々の緑と木漏れ日。肘掛け椅子で2時間仮眠を取っただけの朝でも、体調、気分ともに上々。1車線しかない道路をしばらく走らされたりしつつ、基本的には一本道で迷うこともなく、結局11時半過ぎにはサーキット到着。ゲートも1つだけで、心配した駐車も、空いたスペースが結構残っていてクリア。無事、安岡組と合流。天気予報を覆す、かんかん照りの晴天。2年前の記憶が、徐々によみがえる。ここも開放的でいいサーキットだ。メインスタンドとコースの距離がめちゃめちゃ近い(パドックに遮られて展望はいまいちだけど)。そして、どのサーキットでも変わらない、レースを楽しむ人たち。

12時半から全日本F3第10戦決勝。昨日観られなかった分、楽しみにしてたんだけどなあ。ていうか、私が間に合えば勝てるくらいのつもりでいたんだけど。レストランでお昼を食べて、安岡君の顔を見に行く。終始うつむき加減の安岡君であった。

そのまま帰京する安岡君を見送って、Fポンは観ないで帰る。岡山市に出て県立美術館(国吉康雄のコレクションを持っている)に寄るプランも考えていたが、寝不足と仕事が気になるので、結局今日の宿に直行することに。宿は「建部国際交流ヴィラ」(http://www10.oninet.ne.jp/t-kosya1/vira.htm)。次の日吹屋に行くのに、岡山泊まりだとちょっと遠くなるので、サーキットと吹屋までの間で探していて引っかかった。本当に泊りたかったのは「ペンション迦陵の森」(http://www.farmers.co.jp/karyo/web-content/)。しかし、残念ながら一人泊まりを受け付けず。「ラフォーレ吹屋」(http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/19556/19556.html)も悪くないが、一人泊まりだと1万5千円なので(でも2食付)、今回は見送り。そうこうするうちに岡山県で「国際交流ヴィラ」(http://www.harenet.ne.jp/villa/)という施設を運営していることを発見、日本人でも安くで泊れることがわかった。外国人だと一泊2500円。日本人だと3000円。これに、入会金500円、さらにシングルユース料金500円をプラスして総額4000円。吹屋と建部で迷った挙句、石山修武が設計したという建部のほうに決定。

数時間前に通った国道484号を取って返して、1時間も経たずに建部到着。今回主なルートをNAVITIMEであらかじめ検索しておいたのだが、実際走ってみると、走行時間は想定時間の約半分である。制限速度通りに走った場合の時間ってことなのかな。そうとわかっていれば、朝あんなに焦らなかったんだけど。

宿では夕食が出ないので(でも隣の温泉会館では何かしら食べられる)、これも事前に調べておいた「でんしょう坊」(http://ryoma00.at.webry.info/200701/article_33.html)に電話してみるも、本日終了。第2候補の「すぎ茶屋」(http://www.sugichaya.co.jp/main.htm)へ。確かにうどんの麺自体は美味しかったけど、味付けがいまいち合わず。近くのファミリーマートでコーヒー等を買い込んで、宿へ。

道路と線路と川が交差しながら走り、川に面して幾つかの温泉施設が並ぶ。建部国際交流ヴィラは、町立の温泉会館に併設されていて、川のせせらぎの音が聞こえる気持ちのよい立地。温泉会館でチェックインを済ませ(テレビ代300円を支払い、入湯税150円は、温泉を使用しないので引いてもらう)、建物に移動。決して大きな建物ではないけれども、ゆったりと配置された廊下や吹き抜けのおかげで、広々と見える。部屋にはツインのベッドに、テーブル、椅子2脚。縦も横もゆったり。ただ、隣の温泉を使用することを想定しているせいだろう、洗面スペースは最低限の広さしかない。洗面台の上部をスライドさせるとトイレが現れるユニット形式。申し訳程度にシャワーが配置。でも、ぜんぜん問題はありません。部屋が1階にあって、裏手の駐車場に面しているので、カーテンを閉じておかないといけないのがちょっと難。虫が入るので、窓も開けちゃならないらしい。仕方ないのでクーラーを入れる。

F1カナダGPの決勝が夜中の2時からなので、早々と寝ることにする。ところが2時間寝たところで電話のベルに起こされ、しかも電波状況が悪いのでかけ直しても話ができず、仕事でもするかとPCに向かったら、間違えて電源を落としてしまい、オフライン作業用に落としておいたfirefoxのファイルも、全て閉じてしまった。もちろんウィルコムの通信はできない。やれやれ。

結局うとうとしながら2時まで過ごし、「ハミルトン、クラッシュだー!」のアナウンスで完全覚醒。やったー!と起きてみたら、ライコネンのレースも終わってました。なんでハミルトンの名前しか出さないのさ。2秒くらい期待しちゃったじゃないか。おまけに、ハミルトンは憮然としてるし、ライコネンの方がハミルトンに声かけてるっぽかったし、前回のモナコの記憶が鮮明に蘇ってくるしで、また何かライコがミスったのかと思っちゃいましたよ。おいハミ、チャンピオンにぶつけといて、随分立派な態度だな?え? まあ、一応最後まで見ましたけどね。棚ぼたとはいえ、クビサ、おめでとう。君、好意的に言えばナポレオンに似てるね。クルサードが3番だったのは、ファンには嬉しかったことでしょう。しかし、私がこのレースで一番つらつら考えたのは、待ちに待った初優勝を、年下のチームメートに持ってかれたハイドフェルドの無念だったりする。

長い一日終了。クーラーを入れているのだが、なんだか湿気が多い。コーヒーを飲むのに、いちいちキッチンまでお湯を沸かしに行かなきゃいけないのが、ちょっと面倒だった。