首相の座ってのは、命をかけたり意地汚くしがみついたりしてまで守るものでもないわけね。まあ、政権末期の安倍さんは、見ているのがつらいほど痛々しかったけど、福田さんは、そういう意味では安心して見てられました。大変だったようですが、可哀想では全く無い。あれやこれや、諸要素を自分で折り込んで、自己完結してて。ある意味優雅でしたねえ。きっと、これまで、あまり不足のない人生を送ってきたのね。傍観者を貫いて首相を固辞してれば、完璧な予定調和を崩さずに済んだのに。いい年の大人どころか、立派なお爺さんですら、貫禄や老獪さ、威厳といったものは備わらない時代なのね。

お調子者の麻生さんは、いつ馬脚を現すかが楽しみ。でも「ボク、首相をやりたくてたまらないんだ!」ってのが見えてて微笑ましい。「やりたい」っていう気持ちは大事だよネ。鳩山とつるんでるのは大減点だが。小池百合子は、同性として信用できない。野心に見合う頭脳がありそうでもないし。野田聖子は割と好き。

大学時代にちょっと憧れてたお兄さんが結婚して、ほろ苦く思い出す間もなく離婚しちゃったとき、「やった!チャンス到来」ではなく、「来世でまたお会いしましょう、っていう感傷も許されないわけだ」と、むしろがっかりしたのを思い出す。

首相の座についてもね、別に熱望しなくても、ぼーっと過ごしてりゃ、チャンスはいくらでも巡ってきそうだよね。願わくば、「オリンピックで、せめて銅メダルは取りたいんだ」程度の野心と野生は、持っててほしいわねえ。