衛星第2で『男たちの挽歌II』をやっていたので、かぶりつきで見た。香港映画は、吹き替えだと気分が台無しなので、仕事はあきらめてひたすら鑑賞する(北京語っぽかったから結局吹き替えか)。実はチョウ・ユンファを見るのは初めて。顔が丸い。でもなるほどかっこいい。レスリー・チャンも以下同文。レスリー・チャンって、捨てられた子犬みたいだ。その後の運命を知っているだけになおさら。
香港ノワールのさきがけと言われるだけあって、かっこいいアクションシーンが満載。構成は、いたってシンプルな復讐譚。80年代って、こんなに牧歌的だったんだなあ。『インファナル・アフェア』に見られる、全体的なキリキリ感、神経症的な感触は、この映画にはない。香港返還はまだまだ遠い。
日本刀を振り回しての立ち回りは、他の香港映画では見たことないかな? 娘を亡くしたディーン・セキの、廃人状態から立ち直るまでの演技が、ちょっと泣かせた。それを支えたチョウ・ユンファの、頼れる兄貴っぷり。ニューヨーク・マフィアとチャイニーズの縄張り争いは、本筋とは関係ないながらもなかなか見せる。「米は、父や母のようなものなんだぞ!それを食えないってか!」。アジアは一つ、の台詞だなあ。
逆光の中で、生き延びた3人が、玉座に着いているかのようにソファに座っているシーンが、一番かっこよかった。
思いついて、これまで映画館で見た香港(含中国系)映画を並べてみた。実際に香港映画を見たのは1996年なのだが、実はそこに至る前に、私がスクリーンで一番よく見ていた中国人は、ジョン・ローンだった、というのも今思い出した。2003年の『インファナル・アフェア』以降は、ノワールまっしぐら。2005年がいかに豊作だったかは、こうして並べてみるとよくわかる。

ダークナイト』には、どうやらエディソン・チャンが出演しているらしい。「もう映画には出ません。社会奉仕をして罪を償います」たら言ってなかったか? 「香港映画には」出ないってことなのかなあ。醜聞に巻き込まれた女優さんたちが現役でいる間は、香港復帰はさすがに無理かなあ。悔やまれる。彼に代わるスターがまだ現れないだけに。

笑う犬』途中から見たから、ミル姉さん見損ねた。錦織圭君の試合はしっかり。テレビ日和の一日だったな。