ジョニー・トー、最高!

午後から会合。代官山で自分用とお土産用に、僧侶の三帰天海さんの作る精進料理弁当(http://mikitenkai.exblog.jp/)を購入し、会合のおやつ用には、ヒルサイドパントリーのパンを用意。お弁当は初めてだったけれど、普通に美味しかった。玄米や五穀米も食べ慣れているので、違和感なし。環境とかロハスとかあまり興味ないけど、これまで大病せずに済んでいるのは、実家時代の玄米食のおかげだったような気がしているし、ここ10年ほどのコンビニ生活で体調ががたがたになりつつあるのを実感しつつ、有機野菜とか地産地消とかには微妙に反応するようになりつつあるのだった。

さて、長い会合の終了後は、新宿に移動して『エグザイル/絆』(http://www.exile-kizuna.com/)。首を長くして待ってたのよねー。この数ヶ月、ちょこちょこジョニー・トー作品がかかっていて、先月だか『僕は君のために蝶になる』(http://www.boku-chou.com/)は一応観に行き、「やっぱり幽霊ラブストーリー物はさっぱり感情移入できない。それにしても、こういう映画と香港ノワールと両方監督しちゃうジョニー・トーってやっぱり、香港「なんでもあり」映画界の一員なのねー。でもでもあたしが見たいのはやっぱり『PTU』と『ブレイキング・ニュース』、『エレクション』のジョニー・トーなのよー!」と思ったことだった。東京フィルメックスの『文雀』は、館林美術館行きの日と重なっちゃってアウト。その憂さを『レッドクリフ Part I』で晴らして(香港映画好きからも三国志好きからもそのどちらでもない人からも愛されているっぽい。確かに面白かった。特に戦闘シーンが。ロマンス部分は、別になくてもいいかなー。この期に及んで、トニー・レオンはやっぱりそんなに好みじゃないけれども。金城武だし。新たに孫権役のチャン・チェン趙雲役のフー・ジュンという新顔も補給できたことだし。「我が殿」ごっこをやってみたい! 音楽、岩代太郎なのね。演奏は都響で。音楽だけで映画の国籍を問わず「NHK大河ドラマ」風味にしてしまう東京芸大組作曲家ってすごい。ひょっとして、日本が資本参加した中で最もヒットした映画ということになるのか?)、今日が待ちに待ったジョニー・トー正統香港ノワール
いやもう、美味しかったです。五感の喜ぶ映画というか。冒頭のノックの音。赤子の揺らす鈴の音。銃弾に傷ついた腹から滲み出す鮮血の赤。さっきまで撃ち合っていた5人が休戦に突入して、同じ鍋からよそって飯を貪り食うシーン。手触りは、なんだっけ。金塊。弾倉に送り込まれる銃弾。娼婦がどさくさに紛れて引き出しからありったけ掴み出す札束。匂いは、強烈に、ある。日本のドラマだと、たとえ全力で走るシーンがあっても、ジムで汗を流してるだけ、みたいな感じとか、薄汚れて何日も着替えてないようなシーンでも、服を予め汚しただけ、みたいな感じが、彼らだと、本当に汗みずくの匂いがする。生きている感じがする。見ている自分が。
亡き兄弟分の妻子を扉の外に押しやり、扉を閉めて振り向いた、ときの、フランシス・ンの狂気の笑み。と、
力尽きて横たわる男たちの傍らに舞い落ちる  。
もう、そこまで作らなくてもいいのに!っていうくらい、かっこいいシーンの連続だった。最初から最後まで。飢えを満たしてあまりある幸福な2時間だった。

せっかく新宿に出てきたので、先月オープンしたブックファースト新宿店へ。気に入った。ビジネス系の本と雑誌、政府刊行物も、一通りは置いてるし。ゆったりした配置、回遊する動線、移動のしやすい2フロアオンリーの構成に加えて、いつも使う駅から近いのも加点要因。相性の悪い紀伊国屋をはじめとして、混んでて落ち着かない新宿の本屋のイメージが変わりそうだ。

近所まで帰ってきて本を受取りにコンビニに入ったら、レジの脇に何やらCDが置いてあり、ジャケットの「この極彩色の髪は」、たまにレジを打っているお兄ちゃんじゃないか。と思って聞いてみたところ、やっぱりそういうことらしい。まあ、いつもお世話になっているので、来年発売されるというCDを1枚1000円で買って帰って来た。どういう音楽なんでしょうねー。ま、そのうち聞いてみよう。

昨年香港に行ったときかかっていた『投名状』も、来年公開されるらしい。アンディ・ラウ様、早く再会したい。でなきゃ、フランシス・ンに浮気しちゃいそうだ。素敵だったなあ。幸せ。