成宮寛貴の「トップランナー」

夜は、ちょっと楽しみにしていた成宮寛貴君の「トップランナー」。思いがけなく、というか、思った通りの「言葉使い」ぶりに、ちょっと興奮しちゃった。

たまにテレビで見て気になってはいたものの、あの容姿だから、まあ、いまどきの普通の若い男の子なんだろうと思ってたんだよね。だけど、たまたま彼が始めたブログをチェックしたら、なんか引っかかるものが。たいていのタレントさんのブログは、まず語彙が幼稚。そして、異様に短い。多少長い文章を書いたとしても、基本的に垂れ流し。成宮君のは、形式は今風、語彙こそ平易だけど、「わかって」「狙って」「組み立てて」いる気配があった。

がぜん興味が出てきたところで今日の「トップランナー」。「自分がどういう人間なのか」「何をやろうとしているのか」を、ああ精確にしゃべる俳優さんって、ちょっと他に記憶がない。というか、「自覚的でありたい」「客観的でありたい」「言葉で正確に言い表したい」という、一種偏執的なこだわりがなければ、ああいうことを、ああいう言葉で話したりはしないはずだ。しかも、言葉が独りよがりに宙に浮くこともなく、多分ほぼ彼が意図している通りに、他人に伝えられるのだ。「自意識」を映す、あくまで曇りのない鏡。明晰への志向。あのキレイな顔で、レトリックがどうとか語られた日には、頭食いの文系女子は総崩れだよ。女子じゃなくても呆然としちゃったもんなー。

あー、残念。私の言葉では伝えきれない。9日の再放送を、もう一回、メモを取りながら見直さなきゃ。NHK・RTHK(香港電台)共同制作だっていう「幸福(しあわせ)のスープはいかが?」、楽しみだなあ。香港の街角に立つ成宮君。本人の発言からしても、アジアを始めとする海外志向がありそうなので、どんどん外に出て行ってほしい。彼だったら、中国俳優陣の中に入っていっても、存在感で負けないかも。語学の能があるといいね。「演じている彼」よりも、「彼自身」に興味が増してしまった。どんどん、スケールの大きな俳優さんに育っていってくれるといいな。