F1中国GP決勝

今期のF1を初めてまともに見た。強豪チームの車のアドバンテージを取っ払って、純粋にドライバーの力量だけで競わせてみたい、という願望が、一部叶った感のある第3戦。従来の車の蓄積が大きかったチームほど遅さが際立つ、という今期の状況がそういう感想を抱かせるだけかもしれませんが。バトンもウェバーも、「車さえ良けりゃ速い奴」なのがよくわかりましたね。しかし、ブラウンGPの車の配色の弱っちそうなこと。今年の車って、なんであんなに不恰好なの?

フェラーリの開幕2戦でノーポイントという結果は17年ぶりだとか言っていたけど、開幕3戦ノーポイントって、何年ぶりなんだろう。「チーム力」なんて言うけど、ほんとはそんなもの、どこにもないんじゃないの? フェラーリは、ミハエルじゃなくて、ジャン・トッドロス・ブラウンが偉かったのであって、マクラーレンは、ニューウィーの設計力でもっていたチームで(安定性は永遠の課題)、トヨタの善戦は、山科体制が整ったことによる、と。カリスマ性はともかく、実際にチームを導くのは、ごく少数なんじゃないだろうか。去年もトップチームからちょっと下、今年も中盤にいるマリオおじさんとフランク・ウィリアムズ翁には復活を期待してます。それから、アロンソ、彼には、ドライバーでありながらチームの顔たる素質があると思ってるので、年を取り始めたブリアトーレなしでもルノーを返り咲かせてほしい。

ベッテル君、さわやかだねえ。ミハエルからもライコネンからもアロンソからも愛されるという特技を持ち、正しい時に正しい場所に居合わせるという運の強さも兼ね備えている。いかにも脳たりんそうな(失礼!)ガールフレンドを早々と取り替えたバトンよりは、ベッテル君の最年少優勝を希望したい。

ライコネンにとってフェラーリが終の棲家としてふさわしかったかどうかは、ここにきて大いに疑問になりつつある。かといって、今となっては他のチームに移籍する選択肢なんかないわけなんだが。「驚異的に速い」ライコネンを、再び見る日はあるのだろうか。