久しぶりに、昔友人からもらった有間しのぶの『酔っちゃった (パーティコミックス)』を読み返したら、みちるちゃんが22歳なのはともかくとして、「中年のおじさん」ていう設定のゴローさんが42歳!だったのでショックを受けた。ゴローさーん、あなたまで既に年下でしたか。まあ、1990年当時の42歳だから、今は60歳くらいでしょうが。

しかし、こういう話だったんだ。20年前は、それなりに楽しめた、くらいの感想だったけど。ままごとの恋愛関係すら続いたことのない身としては、深入りできない、他人の人生に責任持てないっていうゴローさんの状況がよくわかります。楽して自己完結して、でも、たまに寂しくて。「毒は持ってたいが幸福感もほしい」。で、そういうゴローさんの懐に入り込んでくるのが、正直すぎる女の人たちなんだけど、自分自身は正直でストレートな女の人だったことがないので、まあ、相変わらず自己完結の人生を送ってるんだろう。周りみんな、似たような感じで打算と自己防衛しててね。

だから、率直なものにもってかれる。血が赤いことが透けて見えるような。「あー、この人には、寂しいって伝えてみたいな」と。

「寂しさ」ってのは、ある種の贅沢な献上品だね。誰にでもあげられるものじゃなくて。でも、喉元まで出かかっていても、そこは耐えて。自分のためじゃなく。

私はといえば、また、歌うようになった。鉱物のように硬質なものではなく、生き物が動いているのを見るのが好きになった。一言で言えば、「ダイナミズム」という言葉で表されるようだ(経営学で使用される用語でもあるらしい)。

幸福をお祈り申し上げて、とりあえず、私の人生からは切り離しておく。影響は受けた。実際に行動パターンが変わってしまうほどに。でも、結局のところ、私には無理だ。

しかし、人生って意表つくなあ。60代の女性と50代の男性に、すばらしい仕事ぶり、とか頭脳、とか、才気、とか、そういうものとは全く無縁な場所で、ここまで影響を受けるとは。

ペルノーのラム割りかー。美味しそうだなあ。