季節の変わり目になると、どうも繰言を書いてしまうようだ。しかも内容がまるで変わっていないので、つくづく自分は頭がわるいと思う。少なくともここ5年は同じことを言い続けてるな。堂々巡りが許されるのは若者だけなのよ。試行錯誤をしてないわけじゃないけど、勝算がない試行錯誤のための試行錯誤ってどうなんでしょ。「気休めでも、やってみたら何か変わるかも」という考え方もないわけじゃない。しかし、だだっ広い野原の真ん中で空砲を打ちまくるのも、気力と根性と資源の無駄遣いだ。私が理想とする「傭兵のような働き方」には近づかない。ステップを細分化/具体化できないって、なんのためにこの年まで生きてきたことやら。

愚痴しか書かないというのは、同じようなことばかり書いている(キミちゃんへの愛は別ね)という点でも、提供する情報の少なさという点でも良くない。

友人から聞いた古い話。昔、知り合いの教授が定期的にテレビに出ることになった。教授は「僕なんかが出ていいのかな」なぞと口では自信のないようなことを言っていたが、ある日、ゼミ生だった友人が教官室に入っていったところ、彼は鏡の前で、「どうかな、この格好似合うかな」と己が姿に悦に入っていたという。さて、卒業後しばらくして、彼女は何かの用で再び大学に出向き、件の教授を訪ねてみた(番組はまだ続いていた)。教官室の扉を開けると、彼はネクタイを手に鏡に向かっている最中で、「久しぶり。ところでどうかな、このネクタイ似合うかな」と彼女に尋ねた。彼女は一瞬、時間の感覚を喪失したという。

なんでこんな昔話を思い出したかというと、今の泥沼に入り込む前のことだったにもかかわらず、10年ぶりに会った知り合いに「あなた、10年前と全く同じこと言ってるね」と言われたことがあるのを思い出したからだ。「エエ、おかげさまで平和な小市民にはならずに済んでますけど」と口答えるべきだったよ。

そうじゃなくて。