だらだら国会中継が流れている。憲法に家族に関する記述を?独身者が迫害されるんじゃないだろうな?

そういえば、この間読んだ『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』に、チャウシェスク時代のルーマニアでは、「定期的に女性の職場を巡回しては妊娠検査を実施。女性が何度も妊娠しないでいると、高い「禁欲税」を支払わされた」と書いてあった。おお、独身税どころの騒ぎではない。

PR会社の時代―メディア活用のプロフェッショナル』→『プロフェッショナル広報戦略』を経て、『自民党改造プロジェクト650日』に入ったところ。著者の世耕弘成は8月8日演説で俄然注目を集めた(と思われる人)だが、この人、お坊ちゃんだったのね。お父さんは近畿大学の経営者ですって。NTTの広報部を経てボストン大学で企業広報論を修めたという彼は、当選以来若手の一人として頭角を現すようになると、自民党の広報体制の改革に取り組む。彼が広報担当者として実権を握る前は、かなり党の広報体制はずさんだったらしい。首相の遊説先は行き当たりばったり、テレビの出演者もテレビ局から言われるがままだったという。それに対し、世耕氏は、成り行き任せではなく、データと戦略を重視した。例えば民主党菅直人の出演する番組にはあえて竹中平蔵をぶつけたという。「菅直人が出るなら竹中平蔵を。えびす顔の竹中と、眉間にしわを寄せる菅」の対比を狙ったのだそうだ。

郵政解散選挙を戦うにあたって、各候補者に民主党対策その他の情報を一日数回FAXで送ったこと、論点を郵政一本に絞るか、年金も入れるかで、世論を見ながら日夜ぎりぎりの選択を重ねたこと等、当時(といっても去年か)の回想部分は読み応えがあった。例の8月8日の演説は、「2日間」熟考を重ね、20回妻に読み聞かせて意見を聞いたとある。参院では敗色濃厚だったため、演説の引き受け手がおらず、若手の彼に役目が回ってきた、というのも面白い(あれがなければ私は彼を知らないままだった)。

にしても、小泉前首相の二者択一「わかりやすいスローガン」を完成させたのが彼だったとは。「郵政民営化こそ、すべての改革の本丸。」「郵政民営化に賛成か、反対か」「改革の前進か、後退か」。『「分かりやすさ」の罠―アイロニカルな批評宣言 (ちくま新書)』もそろそろ読み終わる。

自民党改造プロジェクト650日』の「はじめに」の部分には、「そして、派閥の復権などということは、もはやありえない」とある。この人、ブログの更新も多いし(http://blog.goo.ne.jp/newseko/)、現在進行形で物を言うところは評価できる(去年の新人は続々派閥入りしていると聞くが)。ブログの一番の面白さは、何年も月日が経過した後に「こうなったのか/こうだったのか!」という部分ではないかと思うのだが(HPの日記とはどう違うのか?)、まあ、後日が楽しみではある。

<追記>今出ている週刊文春(2006/11/02号)に「世耕補佐官「広報のプロなの?」 安倍メルマガは「迷惑メール」だ」という記事が載っているようですね。